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アンコールを受けてステージに戻ってきたメンバーは、ツアーTシャツに着替えてラフなスタイルで「デアイ=キセキ」「循環」「ドラマ」「エール」と聴かせた。そして迎えたエンディング。冒頭に出た問い掛けに対し、シドはちゃんと音楽で答えを出す。
──“あなたにとって僕たちは、必要ですか?”“あなたが認めたあなたに認めてほしい”“それが僕たちの承認欲求”──
心理学において、“承認欲求”からの脱却に必要なのは“自己肯定”だと言われる。このメッセージの後、最後に鳴らしたのは「君色の朝」。〈眠ってる力を信じたぶんだけ 僕たちはまた色を纏う〉。マオの伸びやかな歌声と、それに寄り添うたおやかなバンドアンサンブルで放たれたメッセージが、心の中に染み込んでいく。日々、たくさんの言葉が流れていく中で、きっとシドの音楽は“信じられる”ものなのだろう。ステージから放たれるメッセージをじっと見つめ、真摯に耳を傾ける観客の姿がとても印象に残っている。彼らは明日、どんな色の朝を迎えるのだろうか。この曲を胸にワクワクしてほしい。そんなふうに思えたのも、このステージでシドがかけた“ポジティブの魔法”のせいなのかもしれない。
最後にステージに残ったマオは、「何が起こってもやれるんだなと、じんわり心にしみたツアーでした。本当に僕たちにとってやってよかったツアーでした」とツアーを振り返った。そして、延期になっている2公演に向けて「あと2本、今までに見せたことのないような俺の“伸び”を見せるから、期待してて」と語っていた。終演後、延期になっていた2公演と、2020年5月9日(土)、10日(日)に山梨・河口湖ステラシアターで開催される「SID LIVE 2020 -Star Forest-」が告知された。マオの言う“伸び”がどんなものか気になるところだし、野外ステージで彼らがどんなパフォーマンスを見せるのか楽しみである。それと共に、18年目に向けてスタートを切ったシドの新章に期待したい。
文・大窪由香
SID TOUR 2019 -承認欲求- FINAL
