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続いてサンダードラゴンのターンになると、突如として生バンドの爆音がステージを震わせて、正統派ロックチューン「Rock Tonight」をドロップ。田中洸希のヒューマンビートボックスを皮切りに、3ピースバンドのアグレッシブな生演奏に乗って大きく身体を揺らし、5人全員マイクを握ってシャウトとスモークにまみれながらエモーションをぶつける姿は“熱い”の一言だ。続いて全員でタオルを回す「Hard Days」とアルバム新曲が並ぶが、何より驚かされたのが既発曲の大きな進化。おなじみの「INAZUMA」でも、メンバー同士の即興的な掛け合いに加えてバンドメンバーと絡んだり、人気曲「リマカブロ!」ではエレキギターのソロが空気を切り裂いたりと、生々しい臨場感と緊張感の高さはこれまでと比較にならない。テンションが上昇するあまりステージを駆け回る彼らの若々しいパッションと、生バンドとの相性の良さを改めて思い知らされ、曲が終わると荒々しいラップで場内をかき回していた松村和哉の発した「やべーぜ!」の一言も納得だ。
そして場面は、スパドラとしては珍しいラブソングを並べたブロックへと進む。普段はスパドラのラップリーダーとして攻撃的なラップを轟かせているジャンが、古川と共に柔らかなボーカルで恋の戸惑いを繊細に聴かせ、志村と飯島が舞うファイヤードラゴンの「Drive Me Crazy」。年上の女性に対するもどかしい想いを、サンダードラゴンの5人が十代の今だからこその甘さで表現した「真冬の熱帯夜」。そしてオクテ男子の恋心を、田中を中心にウィスパーな歌声で切なく映したSUPER★DRAGONの「Jacket」。三者三様の恋模様を背伸びすることなく、自身の個性も活かしながら描いてもなお明らかな大人びた表情は、思春期と重なるこの4年に彼らが果たした“人”としての成長を感じさせるに十分だ。「9人で成長した形を見せられているのが嬉しい」という古川の台詞も実感をもって胸に沁み入るが、「でも、僕たちずっと成長期なんで、これからも日本で最強のSUPER★DRAGONってものを見せつけていこうと思っています。じゃあ、最強のSUPER★DRAGONとは何なのか?を目撃していただきたく用意してきたので、瞬きせずによく見てください!」と続いた言葉の通り、その後は生バンドの演奏を背に怒涛のクライマックスへと突入する。
田中のヒューマンビートボックスにジャンと松村のラップが絡み、古川と池田彪馬の美声組が朗々たるフェイクバトルを聴かせれば、志村、飯島、伊藤壮吾、柴崎楽はダンサーと一緒にアクロバティックなダンスで魅了と、今日のために用意されたスペシャルなダンストラックから雪崩れ込んだのは「BADASS」。床を伝って身体までも揺らす迫力の生演奏は、スパドラ随一とも言える重低音ナンバーの本領を発揮させ、続く「Mada’ Mada’」では総勢14人の大所帯でエナジーを大放出して、志村もいつも以上に大きくジャンプする。「叫べ!」という号令からはトドメとばかりに「Untouchable MAX」が投下。噴き出すスモークの中で繰り広げられるド迫力パフォーマンスの爆発力は尋常ではなく、ダンサーに生バンドという『TRIANGLE』ツアーでの二つの大きな挑戦が、また一つスパドラを進化させたことを確信させてくれた。
仲間との絆を歌った全英詞のダンスロック曲「Dragonfly」でタオルを振りたくり、本編を締めくくったときには、あまりの全力歌唱に「ここ数年で一番喉がやられた」と古川が苦笑するほど。アンコールでは記念すべき1stデビューシングル「Pendulum Beat!」を初めて生バンドの演奏と共に贈ると、ジャンは「もうちょい衝撃欲しいっすよね」と9月に行われた初の日比谷野外大音楽堂ワンマンが2月19日にBlu-rayリリースされること。さらに3月7日の仙台GIGSを皮切りに、4月3・4日のZepp Tokyoまで6都市7公演に上る全国ワンマンツアーが開催されることを発表して、オーディエンスに喜びの悲鳴をあげさせた。最後は「楽しく終わる曲、アレしかないでしょ! 俺たち雨男でいつも外は雨だけど、最後は晴れて終わりましょうよ!」(池田)と「雨ノチ晴レ」でフィニッシュ。鉄道オタクの伊藤を先頭に電車ごっこの陣形を取ったりと、朗らかなナンバーで見せるメンバーの笑顔は、アグレッシブな本編とのギャップが大きい分だけ魅力的だ。
