「まだまだ盛り上がって行けますかー!」間髪入れずに披露されたのは『LIFE』。強いメッセージを持ちながらも決してヘビーではない歌の世界観。そのバランスが実にフジファブリックらしい楽曲だ。リズミカルなバンドサウンドに対し、会場中が左右に手を振って応戦すると、山内はステージ端まで歩み寄りファンと間近に歌とギターを奏でる。
フジファブリック「バズリズム LIVE 2019」 (PHOTO by山内洋枝) 画像 3/5
「音楽は不況だとか言われていますが、みなさんを見て確信しました。まだまだ可能性はあると思います!」夢のあるMCからのラスト1曲は彼らを代表する『若者のすべて』。イントロから手拍子が会場にこだまする中、切ない青春ソングが展開。彼らのステージのラストを美しく締めくくった。
ここからは、ついにバカリズムとフジファブリックがコラボして生まれたユニット“フジファブリズム”の登場だ。バカリズムは、これまでもアーティストとコラボしたことはあるが、バンドとの楽曲制作は初の試み。3か月の制作期間の中で、どのような曲が生まれたのだろうか。暗転し、一瞬静まりかえる会場。そこにバカリズムを中心にフジファブリックのメンバーが再び集結し、一斉にスポットライトを浴びる。
「最初のイントロで、フジファブリックの曲とわかるものがいい」バカリズムの希望に答えるフジファブリックらしいイントロから曲がスタート。こわばった表情で、リズムに合わせようと必死の形相のバカリズムがモニターに大きく映される。一見、爽やかな青春ソングかと思いきや、曲のタイトルは『Tie up』。そう、テーマは“映画のタイアップ”だ。「バンドでは絶対に作れない曲」と山内が苦笑いしたバカリズムの詞に、フジファブリックのリズミカルなサウンドが融合。心地よいサビのリズムには、オーディエンスから自然と手拍子が湧き上がった。
ボーカルをとったバカリズムは、ギターを抱えているものの歌うのに必死の様子。それでも曲のクライマックスだけはギターを抱えてのエアギターをバッチリ披露し、最後はアーティストさながら、キリリとした声で「どうもありがとう!」とキメて会場を笑わせた。
フジファブリック「バズリズム LIVE 2019」 (PHOTO by山内洋枝) 画像 4/5