中盤では代表曲やシングル曲、会場を楽しませたり一体化させる曲等、これまで以上に各曲の幅やバラエティさも目立った。
「今日は楽しいからお涙頂戴なことは言わない。俺についてきてくれれば大丈夫」の赤飯の言葉の後の後半戦が凄かった。出航のようなデパーチャーナンバー「ザ・レジスタンス」が会場を引き連れて力強く雄々しく進んでいけば、「ふわっふー」ではミトもショートなドラムソロを披露。会場を沸かす。
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ラストスパートは阿鼻叫喚&大団円。まずは「スーパー銭湯~オメの湯~」が会場を沸点に達すべく放たれれば、本編ラストの「オメでたい頭でなにより」が場内に無数の笑顔と大団円感へと導いた。
アンコール。…とその前に早くも来春のツアーの発表が。2020年2月~全国16公演のワンマンツアーがスクリーンに投影され満場は驚喜。ちなみにこれは彼ら史上最大規模にして最多本数となる。
アンコールは3曲。各々に「この日ならでは」を感じた。まずはキュートさとハードさを交えた花王エッセンシャルCM曲「ザ☆キュ~ティクルピーポー」が会場を和ませれば、客電も点く中、幸せでハッピーな気持ちで包んでくれた大団円曲「宴もたけなわプリンセス」。それらで終わり…かと思いきや、なんと再度打首獄門同好会のメンバーがステージに。バンドコラボとして「日本の寿司は世界一」が再演された。2017年5月にこの2バンドが共演した際に一緒にプレイされた、打首の「日本の米は世界一」と、オメでたの「wosushi〜ウォールオブ寿司〜」をマッシュアップさせたこの幻の曲の登場に会場はこの日一番のハイテンションを記録した。
終始タイトルに偽りなしな、真剣な遊び場が生み出されていった、この日。同2マンツアーは今後も来年1月まで続き、来春のワンマンツアーへと繋がっていく。
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真剣で楽しく、そんな背反な両極を見事同居/昇華させたこの日の彼ら。どんなに心や身体が疲弊していても、彼らの音楽があれば、不思議とバイタリティや活力、元気が湧いてくる。そんなことを本気で信じさせてくれ、見事体感させてくれた一夜でもあった。……と、まだ台風の猛威の爪痕がところどころ目に入る帰路、そんなことを想った。
文・池田スカオ和宏
