2019.09.14 公開
PENICILLINが夏を取り戻せと「祭り」をテーマにライブ。満員の観客たちとPENICILLINの荒ぶるライブの熱気で、会場は猛暑ならぬサウナ祭り!

PHOTO: Takatsugu Kanda  画像 1/4

8月31日(土)という夏も終わりを迎えた時期に、PENICILLINが終わりゆく夏を派手に締めくくる夏祭り、その名も「PENICILLIN LIVE2019~祭り~」を赤羽ReNY alphaを舞台に行った。 祭り囃子が流れる会場は、隅から隅まで観客たちが埋めつくしたように、開演前から場内はもの凄い熱気に包まれていた。たくさんの期待を胸に、彼らがこの日、どんな熱狂の祭りを描いたのか、ここへ記そうか。

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華やかなEDM系の祭りビートに乗せ、メンバーが舞台へ姿を現した。ステージ上の3人とも、祭りの場に相応しい浴衣姿。ライブは、インディーズ時代からステージを彩り続けてきた「Quarter Doll」からスタート。突き刺すようような千聖の激しいギター音に煽られた観客たち。そこへ重なったHAKUEIの「祭りだー!!」の声。ザクザクとした千聖のギターの音が、O-JIROの轟くドラムの音が場内の熱気を掻き回す。ワイルドな演奏の上で、挑むようにHAKUEIが歌声をぶつけてゆく。ド頭からスリリングな演奏が観客たちの荒ぶる気持ちを熱く触発。誰もが天高く拳を突き上げ、舞台上からあふれ出る荒ぶる衝撃をしっかり受け止めていた。

PENICILLINが夏を取り戻せと「祭り」をテーマにライブ。満員の観客たちとPENICILLINの荒ぶるライブの熱気で、会場は猛暑ならぬサウナ祭り!PHOTO: Takatsugu Kanda  画像 2/4
妖艶な魅力を振りまきながらHAKUEIが歌いだしたのが「99番目の夜」だ。心を陶酔させる艶やかな歌声の横では、千聖が轟音を撒き散らす。それが、PENICILLINが示した今宵の宴のスタイル。陶酔と過激、二つの魅力を絶妙に絡めながら進むステージ。熱気と恍惚に、早くも気持ちがメロメロに崩れそうだ。
 野太いギターリフが連れてきたのが、「秘蜜のデザート」。タイトなO-JIROのビートを背に受け、HAKUEIがしゃくりあげるように歌を突きつける。攻めゆく姿の中へ甘い陶酔を覚えさせるところも、HAKUEIの歌唱スタイルの特徴だ。なじるように、でも優しさも秘めながら歌う姿が艶かしい。突き刺す演奏が、感情を荒く揺さぶる、さぁもっともっと興奮の蜜を与えてくれ。
 突き刺す演奏をさらに加速させるように、PENICILLINは「γ-大戦」を演奏。挑む姿勢のまま、切っ先鋭い歌と演奏を満員の観客たちの身体に、心臓(ハート)に刺し続ける。途中、艶かしいHAKUEIの歌声響くメロウなブロックも登場。巧みに緩急を付けながらも、高ぶった気持ちのテンションを落とすことなく、ライブはどんどん熱を膨らませ続けていた。

 MCの第一声が「熱いね」という言葉。思わず場内からも「熱ーい」の声が飛び交うほど、序盤にも関わらず、早くも場内には熱気が渦巻いていた。PENICILLINにとって「祭り」というテーマは、意外にも初。「浴衣って涼しいイメージがあるでしょ。熱いね」と、話題も熱気に向いてしまう気持ちもわかる気がする。

次のブロックで飛び出したのが、感情を一気に天高く連れ出す爽やかな開放チューン「WARP」。今宵は熱気も一緒に引き連れながら、青空へ向かって羽ばたくようにどんどんテンションを上げてゆく。むしろ、このままメンバーらと共に、真夏の熱狂を取り戻す景色へワープしたい。甘い陶酔導くHAKUEIの歌声とは裏腹に、激烈な音で爽快さへ刺激を注ぎ続ける演奏陣。そのバランス感が、嬉しく身体を騒がせる。
ザクザクとした野太い千聖のギターが、身体を跳ねさせるロックンロールなリフビートを刻みだす。「UFO 対 ラオウ」の登場だ。扇子を扇ぎながら歌うHAKUEI。パーティロックな演奏へ誰もが身を任せ、心地好く身体をシェイク。誰もが童心に返り、ロックンロールな宴へ無邪気に身を任せ身体を揺らし続けていた。
 激しく攻めるようにPENICILLINは「ヒットエンドラン」を演奏。今にもけしかけんばかりの勢いに乗せ、彼らは歌と演奏をぶち噛ます。巧みに文字や映像などの演出も加え、PENICILLINは視覚面でも観客たちを挑発し続けていた。途中、千聖と観客たちによる「ヒットエンドラン」の掛け合いも登場。まさにここは、夏の高校野球の試合を彷彿させる熱気と精神力とをぶつけあう戦いの場だ。

「夏の名残を楽しもうという企画なんですけど、夏真っ盛りだね」と語るHAKUEI。次の曲は、HAKUEIが涼しい気持ちを求めて選んだ楽曲。奏でたのが、「蛍火」。クールだけとエモーショナルなグルーヴを持った演奏に乗せ、HAKUEIが哀愁を胸に抱きながら切々と歌を唱えてゆく。背景には蛍火を模倣した光の映像が優しく飛び交っていた。身体は冷めぬ熱に包まれながらも、心には、晩夏の夜の風のような肌をスーッと涼しく撫でる歌を届けてくれた。

「夏といえば、この曲」として選んだのが、「男のロマン」。今回は、楽曲を祭り囃子風のリズムに変え、「男のロマン(祭りver.)」として披露。千聖とファンたちによる「ぶんぶんぶん ぶぶんぶぶん」の掛け合いを受け、楽曲は一気にぎらつく太陽をつかむように駆けだした。滾る感情を、男気満載な歌と演奏に投影。途中、巧みに祭り囃子も折り込み、より一層夏のギラギラ感を増してゆく。HAKUEIと観客たちによる掛け合いなども加えながら、PENICILLINは会場にどんどん熱を膨らませていく。
脹らんだ熱を増幅させるように、PENICILLINは「聖・MARIAN HURRICANE」を演奏。胸くすぐるキャッチーでパンチの聞いたロックナンバーが気持ちを嬉しく騒がせる。こんなハリケーンなら、いくらでも巻き込まれたい。
 突きつける激しい演奏が、ふたたび気持ちを戦いの場へ連れ出した。スリリングな空気を醸しながら、HAKUEIが「赤裸の境界」を歌いたす。千聖の野太いギターサウンドとO-JIROの速射砲のようなビートの上で、艶かしくも観客たちを煽るように歌うHAKUEI。心地好い緊張感が、たまらなく刺激的だ。その熱をつかむように、フロアからも無数の手が舞台上へ伸びてゆく。その景色も壮観だ。

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