4月から6月にかけて全国27都市で、弾き語りツアー“Time in the Garage”を開催した斉藤和義。コンスタントにライブやツアーを行ってきている彼の弾き語りツアーはおよそ2年ぶり。東京公演は6月に中野サンプラザで行われた。斉藤和義 (c)Speedstar Records 画像 2/7
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クルマのエンジン音が鳴り、こちらに向かってくる足音が響く。扉が開き、たくさんのギターが並べられたガレージに斉藤和義が登場し、ブルースハープとアコギをかき鳴らし「月光」でライブがスタート。引き続きアコギの弾き語りで「愛に来て」を披露するのだが、不思議とタンバリンの音が聞こえる。足元のペダルを踏めばギター以外の音が出る仕組みになっており、“弾き語り”という概念にとらわれないプレイで魅せる。さらにペダルを踏めばリズム音が鳴り、エレキギターに持ち替えて「ずっと好きだった」を聴かせた。斉藤和義 (c)Speedstar Records 画像 3/7
「WOWOWで放送があるので必要以上に盛り上がってください」と会場を和ませ、日替わり曲を披露するコーナーでは、アコギの音だけで出る渋みとグルーブ感がたまらなくかっこいい「Cheap & Deep」を選曲。
そして「デビュー前は5曲ぐらいしか曲がなかった」と話し、その1曲である「何となく嫌な夜」をクラシックギターで演奏。やわらかい音色に合わせ、間奏に響く斉藤の口笛も楽器のひとつになる。
「今年の秋に映画が公開されます。『アイネクライネナハトムジーク』、10数年前に伊坂さんと「何か一緒にやりませんか?」と話をして。歌詞は書いたことがないので小説を書きますよって短編小説を書いてくれたんです」と、作家・伊坂幸太郎との交流について語り、その映画の劇伴と主題歌を担当することを告げ、主題歌の「小さな夜」をいち早く披露した。斉藤和義 (c)Speedstar Records 画像 4/7
斉藤和義 (c)Speedstar Records 画像 5/7
斉藤はギターだけでなく、いろんな楽器を巧みに演奏する。「嫌いになれない」は楽屋での練習用キーボードをステージに持ち込み弾き語りでじっくりと聴かせ、その後、ステージ上手に組まれたドラムセットに移ると、1996年にレコーディングした時のマスターテープからドラムとボーカルを抜いた「幸福な朝食 退屈な夕食」の音源を鳴らし、斉藤がドラムを叩き歌いながら96年当時の自身とセッション!
そして、歌とギターを抜いたマスターテープとセッションした「老人の歌」は、途中アコギからエレキに持ち替えギターソロを弾くと、観客の全ての視線を釘付けに。言うまでもなくステージにはたった一人しかいないが、趣向を凝らし色々な魅せ方が出来るのも斉藤和義ならではだ。斉藤和義 (c)Speedstar Records 画像 6/7
終盤は「Good Luck Baby」、自作のギターとベースを一つにしたダブルネックの楽器でルーパーに録音し、その音に合わせ「アレ」をダイナミックな演奏と歌声で聴かせ、本編ラストは「Summer Days」。歌の中に“シェキナベイベー”や“ショーケン”、“ミチロウ”などを盛り込み、内田裕也、萩原健一、遠藤ミチロウといった偉大な先輩ミュージシャンたちへのリスペクトも感じさせてくれた。
