そんな森崎プロデュースの「I hate you」を7人一丸となって会場の中央から届けたあとは、四季をテーマにしたメドレーでメンバーそれぞれをフィーチャー。まずはスレイベルの音が鳴り、アカペラから渾身の力で「yours」を歌い上げる森崎の背後で、福本がエモーショナルなダンスと表情で想いを訴えると、なんと檀上に当たったスポットライトの中にはピアノを演奏するケビンの姿が! ピアノを弾き語りながら森崎と「春空」をデュエットして大歓声を浴びる中、今度は島田が体幹の強さを活かした巧みな動きで、曲からあふれ出す感情を表現していく。さらに夏の眩い陽射しを思わせる「Orange Moon」が始まると、シャツのボタンを全開にした清水が波のようにうねるサテン布の狭間をセクシーにサーフして、場内を悲鳴の嵐に。そして切なさが秋風を匂わせる「Someday」では、ケビンと森のボーカルをバックに、小川が情緒豊かなダンスのみならずラップまで聴かせて、新メンバーだけのステージでホリックたちを沸かせる。トドメの「Never」では、ステージ中央で歌い踊る森崎の上下左右で、4人のパフォーマーが躍動するというダイナミックなフォーメーションを展開。次々にメンバーが入れ替わって魅せる多彩なパフォーマンスは、まさしく7人の新体制ならではだろう。
そのぶん7人が揃ったときのパワーも強大にしてバラエティ豊か。ステージに出現したカフェで、それぞれの人間模様をミュージカルのように描き出した「カフェオレ」では、場内に芳醇な珈琲の香りが漂い、長髪のウィッグで小川が可愛らしい女子店員に変身して声援を受ける場面も。続く「Truth」でも全員がスタンドマイクを使ったパフォーマンスでラフに楽しませるが、一転「BAD LOVE」では赤いライトを浴び、緊張感のあるフォーメーションダンスで危険なムードを振りまいてゆく。さらに、ラフでカラフルな私服風衣装に着替えての「Ignight」では、2階のDJブースでプレイする島田の周りにメンバーが集結。そのまま「Pleasure」からハッピーなノンストップメドレーへと雪崩れ込み、一斉にタオルを振る「Sing it!」にペンライトを手旗信号のように上下させてウェーブする「Just Revolution」と、ホリックたちと結ぶ一体感の温度は高まるばかり。センターステージに揃って7人で肩を組んだ「Woh!」から、なんと「my girl」では森が花を出すマジックを披露し、最後は「Three Things」で笑顔の内に締めくくるというのが、また彼ららしいところだ。
ここで7人体制になってからの歩みを振り返るVTRが流れ、“OUR STORY STARTS HERE.”の文字がモニターに浮かぶと、白一色の装いに身を包んだボーカル陣がステージへ。3人で歌声をつないで「Memory」を贈ると、清水のラップからはパフォーマー4人も加わって、未来への尽きせぬ想いを息の合った歌とダンスで謳い上げる。“ボクラノメモリーキエルコトハナイ”と、過去を連れて夢へと向かう決意の籠もった熱いパフォーマンスは実に感動的なもので、場内からは大きな拍手が。その決意を現実のものとするための第一歩が、直後に投下された『FRNKSTN』のリード曲「DANCE」である。メンバーいわく“2019年版「スリラー」”というだけあり、アタックの強いサウンドもアルバムタイトルの通りのクリーチャーを思わせる振り付けも爆発力満点。最後はアルバムでもラストを飾っている「Sweet Goodbye」でホリックたちに携帯を掲げさせ、その光で眩いフィナーレを飾った。
そして「HUG & KISS」で始まったアンコールでは、曲名通り福本が島田を後ろからハグしたり、森崎が清水の頬にキスしたりと、メンバーのキュートな面が全開に。「僕たちからプレゼントあります!」と「Ready」でサインボールを投げ込み、「UP<UPBEAT」では自分で作った替え歌がツボに入って、森崎が歌えなくなる一幕まであった(笑)。かと思えば、パフォーマーチームがアクロバティックなソロダンスで魅せて、清水はバク転まで披露するのだから侮れない。タイトルコールから歓声が湧いたラストソング「If you」では、ホリックたちがペンライトを大きく振って、森崎にマイクを向けられた小川も見事に歌唱。メンバー同士肩を組んでカメラを覗き込んだり、そこで森が島田にキスしたりと、キャリアの長さに関わらず、共に同じ夢に向かって進んでいこうと一つになった7人の姿には、見ていて胸が熱くなるものがあった。
