沖の口笛とアコーディオンで紡がれるメロディーが場内を“泣き笑い”が内包したような不思議な空気に変えていく。
茂木欣一(Dr)が「タイムマシーンがあって、100年後の学校に行って、音楽の教科書を開いたら「君と僕」の譜面が絶対にあるから。何百年経っても不滅の名曲だと思います。」と沖に対する賛辞を贈ったあとは、茂木自身がボーカルを務める「銀河と迷路」が披露される。
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「Paradise Has No Border」のイントロが流れだすと一際大きな歓声があがり、GAMO(T.Sax)が激しくオーディエンスを煽ってさらなる熱狂を生みだしていく。GAMO(T.Sax)が突然「今夜のスペシャルゲストを紹介します!フジファブリック!」と叫び、フジファブリックをステージに呼び込むと、完全シークレットだったこともありオーディエンスから大歓声が沸き起こる。会場中がハンドクラップに包まれるなか、ステージ中央で山内総一郎(Vo/G)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)のフジファブリックの3人をスカパラ9人が取り囲み、お立ち台に立った山内総一郎(Vo/G)が「Paradise Has No Border」のテーマをギターで奏でる。
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山内総一郎(Vo/G)が「ボクらとスカパラは今は深い関係にならせていただいているんですけど、そのきっかけになった曲をやりたいと思います。」と言って「Surfer King」が披露されると大歓声が沸き起こる。「Surfer King」は2007年にフジファブリックがリリースした8枚目のシングルで、レコーディングにはスカパラからNARGO(Tp)、北原雅彦(Tb)、GAMO(T.Sax)の3人が参加しているが、この日はスカパラメンバー9人全員が参加するかたちで披露された。
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茂木欣一(Dr)が「フジファブリックのみんなともう1曲いきたいと思うんですけど」と次に披露する曲について語りはじめる。今年3月にリリースされたスカパラ初のトリビュートアルバム「楽園十三景」に13組のアーティストのなかの1組としてフジファブリックが参加してくれたこと。参加してくれた楽曲は今からちょうど20年前の楽曲で、スカパラ初代ドラマー青木達之が亡くなったあとにレコーディングされた曲であり、茂木欣一がはじめてスカパラと一緒にレコーディングした曲であったことを告げる。
茂木欣一(Dr)の言葉を受けて、山内総一郎(Vo/G)もその楽曲を選曲した理由について語りはじめる。
フジファブリックも志村正彦が亡くなってから今年で10年になること。スカパラにも亡くなってしまったクリーンヘッド・ギムラや青木達之という大切なメンバーがいて、亡くなったメンバーとも今なお一緒に歩んでいること。フジファブリックよりも一歩先を常に歩き続けているスカパラのことをカッコイイバンドの先輩としてずっと憧れていること。カバーしたい曲はたくさんあったけれど強い想いの込められた魂の曲をカバーしたいと思ったことなどが告げられる。
茂木欣一(Dr)が「この曲は志村くんやギムラさん、青木さんにも届くような気がします」と言うと、山内総一郎(Vo/G)も「届けたいですね」と答える。披露された曲はもちろん「戦場に捧げるメロディー」だ。
照明が落とされたステージから12人の男たちの魂が込められたアンサンブルと優しくも力強い山内総一郎(Vo/G)のボーカルが静謐な場内を包み込む。
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フジファブリックの3人をステージから送り出したあと、NARGO(Tp)のピアニカを合図に「SKA ME CRAZY」が場内に再び熱狂を引き戻す。加藤隆志(G)の「モンキー・パンチ先生に捧げます」の言葉通り、哀悼の意が込められた「ルパン三世’78」が披露されると会場中のオーディエンスが拳を振り上げスカパラの激しい演奏に呼応していく。
暗闇のなかで感情を揺さぶるような沖祐市(Key)のピアノソロが鳴り響き、その流れのまま「水琴窟」へ突入し、超絶なプレイを沖祐市(Key)が披露する。
ライブも終盤へ差し掛かりさらに白熱したステージが展開されていく。茂木欣一(Dr)のカウントを合図に最新曲の1曲である「遊戯みたいにGO」を披露したあとは、大森はじめ(Per)の掛け声を合図に30年前からのライブの鉄板曲「スキャラバン」で会場中を踊らせていく。
谷中敦(B.Sax)は30周年イヤーを迎えられたことに対する感謝の想いをオーディエンスに伝えたあと、「たくさんの出逢いもあったし、海外でライブが出来たり、いろいろな人とコラボが出来たり、毎年どんどん楽しくなるし、良いことばっかりだけど、メンバーを亡くしたときはこのあとどうなるんだろうってくらい本当にピンチで、そんなときでも自分たちで続けていこうと何とか光を見つけるように進んできました。そんな光を全部集めるように歌いたいと思います。」とさらなる想いを吐露して「Glorious」が披露された。スカパラメンバーの想いに応えるかのように会場中のオーディエンスが飛び跳ね腕を振り上げている。