2019.05.23 公開
アンコール。ついさっきのきらびやかな衣装とは打って変わって、チャコールグレーのジャケットとパンツ姿で登場し、「ほんとうにありがとうございます。とっても楽しかったです。みなさんのおかげです」とあらためてお礼を述べると、最後のギフトがあった。
「新しい歌。このあいだ書いた、まだ発表の予定もない曲を最後に歌いたいと思います。僕自身、多作でなく、シンガーソングライターと胸を張っていえないところがあって、でも、これからも自分を壊して、どんどん未来の扉を開いていきたという気持ちを込めて、
この名もなき曲をみなさんに届くよう歌いたいと思います」といって、誰も知らない曲を歌い始めたのだ。片思いをしている人へ向けたせつないラブソングで、これには平井 堅のライブに何度も来たことのある熱心なファンも驚いたのではないだろうか。
平井 堅が完全未発表曲をライブで披露するのは大変にレアなことだからで、だから、「half of me」で始まったこの日のライブは、いや、去年の5月にスタートした「Ken’s Bar 20th Anniversary Special !!」なるプロジェクトは、じつに意外な終わり方をしたといっていいだろう。
しかしそれは、誰も知らない平井 堅、新しい平井 堅の始まりと解釈できるものでもあり、この「点」が今後、どのように「線」となっていくのか、楽しみにしたい。
【公演概要】
「Ken‘s Bar 20th Anniversary Special !! vol.4」
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