逆に観客からは2人に対してのアンコールは歌で行われ、2人に対して観客も音楽で気持ちを届ける場面も見て取ることができた。
それはパフォーマンスにももちろん反映されている。
「最初は君とここまで来るとは思っていなかった」「数えきれない笑顔たち、今日もこの道を照らしてくれている」など、観客へ2人の気持ちを語り掛けるような曲が用意されていたり、アンコール『お返しの約束』ではアカペラによる2人のハーモニーが美しく夜空に響きだしたかと思えば、静かにギターの音がそっと重ねられた後、「僕の約束を君にお返しする。待っててね」「後悔なんてさせない、出会えたことを」「どこまでもついてきてほしい」「これからの僕を見ていてね」と2人の決意ともとれるような歌詞を、安定した歌唱力で力強く、静かに歌い上げた。
こうした音楽での繋がりについて、彪我は初めはピンと来ていなかった所もあったという事を正直に明かしつつも「前回は台風で雨の中だったけど、みなさんと1つになれたことを実感できたライブだった。それを受けて去年の秋に、EP『うたはつづくよどこまで』の作成をしたり、音楽でもっとみなさんと繋がりたいと思って今日までやってきました。」と語った。
また雅功も、今回のテーマについて語り、「これからも2人で歌い続けますって言ってますが、それはずっとずっとやって行きたいと思っています。最近、音楽で繋がるってどういう事か考えていたんです。僕は、みなさんが悩んだりモヤモヤした時に孤独を感じたりした時、僕たちが音楽を使って、1人1人と繋がって、曲を聴いてもらえたり、ライブに来てもらったりした時に“自分は孤独じゃない”って思ってもらえたらと思うんです。これから先も、みんなと歌う事によって、心と心を繋げて、少しでも皆さんの心の支えになったら嬉しいなと思っています。5周年を迎えますが、僕らはその先に向かって、今いる方だけじゃない、たくさんの方と音楽でつながって、ずっとずっと一緒に寄り添っていけたらと思っています。これから先も僕らと音楽で繋がってください!宜しくお願いします!」と力強く会場へ呼びかけた。
続けて今回のライブで初披露という新曲が演奏されたが、この曲には、明るく元気なポップチューン・雅功の美しく響くビブラート・彪我の高音の心地よいハーモニーに載せられて、あるがままの自分を肯定しながらも、そっと背中を押してくれるメッセージが歌詞に込められていた。
2人により、気持ちたっぷりの歌い上げられたこの曲は、恋愛や自分自身について歌う歌とはまた異なる、まさに“音楽で繋がりたい”と語る2人の想いが昇華し、リスナーに寄り添うような世界観を持った曲として、新たなさくらしめじの魅力に加わった。
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