セットリストは『真夏のスノーマン』『音色』とスローバラードな楽曲が続く。優しさで包まれたように、オーディエンスはみなロザリーナの歌声に聞き惚れていた。
そんな観衆を前にロザリーナは「初めてのワンマンライブで、やりたいことが多すぎて、全然詰め込みきれませんでした。これからやっていく中でどんどんやっていこうと思っているんだけど、来てね?」と笑顔の裏に緊張も交えてコメントした。
セットリストは進み、自身の代表曲『マリオネット』を、バラード調で歌い上げる。キーボードが奏でる旋律に乗せて歌った本作は、少年サンデー誌上で“伝説の名作"と呼ばれ、満を持してアニメ化された『からくりサーカス』のED曲として書き下ろされた。ロザリーナの歌声が際立つアレンジが鼓膜からそっと身体の中へ浸透していく。その心地良さに浸りながら、続いて披露された『Over me』は、今すぐにも走り出したくなるリズムと疾走感で、一気に会場のテンションを塗り替えた。
本編最後の楽曲『Rolling Rolling』を歌い終えると、すぐさま会場からアンコールの声が聞こえてくる。「ロザリーナ」「アンコール」。早くも再会を望む声が会場にこだまする。その声に誘われるようにロザリーナが再びステージに登場。
「今日は私の記念すべきワンマンライブに来てくれて、少しでも記憶に残ってもらいたいな」
ロザリーナは会場の光景を目に焼き付けるように呟く。そして「いい日だったなって思ってもらえるように、まだできていない新曲をワンコーラスだけ歌いたいと思います」とオーディエンスへ向けてサプライズ。アコースティックギターの弾き語りで新曲『ボクラノカタチ』を初披露した。
「どうだった?」と照れながら笑みを浮かべるロザリーナ。
「メジャーデビューして1年経って、華やかだけど階段は少しずつしか登れていない。
だけど、大切な人に支えられてワンマンライブもできて、みんなともっと大きな会場でワンマンやりたいな。日本人だし・・・、武道館とか?」と目標を語ると、満場の拍手が沸き起こった。この場所が、この瞬間が、ロザリーナの日本武道館への一歩目となった。











