その余韻が導くように、ピアノの音色が会場内に響き渡り始める。ジャニーのピアノ演奏が場面転換を知らせるように、白シャツの上から赤と黒を基調としたジャケットを羽織ったメンバー達が堂々とした姿でセンターステージに揃い立つと、さらなる魅力を際立たせて行く。センターステージの床がこう配をつけながら回るという、ダイナミックな舞台装置でのパフォーマンスを見せたり、複雑に絡まったジャングルジムのようなセットを使用するなど、畳み掛けるような勢いで観客を魅了していく。他にもテヨン、マークのラッパー同士の掛け合いなどもあり、次々と違う顔を見せるメンバーたちに翻弄されてしまう。
そうやって普段あまり見せない姿やメンバーの個性を発揮させたところで、ライブの後半とは思えないほど、またもや新たな魅力を発揮して行く。衣装もそれぞれデザインが違うカラフルでラフなものにチェンジ。軽やかなミディアムテンポの「Touch」では観客も一緒になって歌い、そのお返しのように、続く「Replay (PM 01:27)」ではメンバーもNCTのチームカラーの黄緑に光るペンライトを持ち、観客と一緒になって手を振りながらコミュニケーションを深めて行く。そして会場の一体感がマックスに達すると、本編ラストは傾斜をつけながら回転するセンターステージの上で「Fire Truck」を華麗に披露し、ステージをあとにした。
迎えたアンコール。ここでついにこのアリーナ公演からパフォーマンスすると予告されていた、4月17日にリリースされる日本での1stアルバム『Awaken』からの新曲「Wakey-Wakey」のイントロが鳴り出し、観客から大きな歓声が上がる。メンバーはなんと先日公開されたMVで着用していた全身ブラックのスタイリッシュかつセクシーな衣装を着て登場。世界初公開の瞬間を完璧な形で見せつけた。披露後、ユウタは「キャッチ―でインパクトのある曲」と紹介していたが、多彩な魅力を持つNCT 127だからこそ表現できる楽曲。またテイルによれば、アルバムには「僕たちの日本語初のバラード曲も入っています!」とのこと。『Awaken』への期待がさらに高まった。
MV撮影での裏話などをしながら、メンバーたちは衣装をツアーTシャツに着替えると、トロッコに乗車。みんな一緒になって楽しんで歌える楽曲を歌いながら、さらにファンとの距離を縮める。そんな中で迎えた最後の挨拶では感動で涙声になってしまうメンバーもいたが、最後の最後まで観客の応援に全力で応える姿を見せて、この日の公演は無事に終了した。
写真:田中聖太郎写真事務所 画像 11/12
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残る30、31日の公演はすでにチケットは完売してしまっているが、ファイナルはAbemaTVにて全編ノーカット独占生中継される。カッコいい!と歓声を上げるというよりは、カッコいいと思わず唸ってしまいたくなるような、メンバー個々の能力の高さをベースに作られる独創的でスタイリッシュな彼らのライブは必見。今のNCT 127を目撃できなければ、きっと後悔するに違いない。











