2019.03.12 公開
15周年を超えてその先の未来へ!シド、『SID 15th Anniversary GRAND FINAL at 横浜アリーナ ~その未来へ~』開催!

Photo by今元秀明/緒車 寿一  画像 1/12

「この場所に、シドは似合ってますか? いろんな思いを今日のステージにぶつけたいと思います」(ゆうや)

「メンバーも、いつもよりいい顔してる。お前らも、もっといい顔してるぞ」(マオ)

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 四者四様の表現は、つまりファンに伝える15年分の感謝の思い。2008年のメジャーデビューシングル「モノクロのキス」と、3枚目にあたる「嘘」は、シドの原点とも言えるソリッドなバンド・サウンド、ダンサブルなビート、憂いのメロディ、ロマンチックな歌詞を兼ね備えた代表曲だ。そのキャッチーな魅力は昔も今もまったく変わらない。過去のどの時代の曲も大切に歌い続ける、それこそがファンへの最大の感謝の証だ。

 中盤には「ホソイコエ」「2℃目の彼女」「スノウ」と、冬の情景を描く3曲が揃った。降り注ぐ雪を映す雄大なスクリーンをバックに、白いスモークに包まれるステージは幻想的なほどに美しい。そして季節は冬から春へ、「ハナビラ」ではスクリーンいっぱいに桜の花びらが舞い落ちる中、淡々とループするビートが別れを歌う歌詞の悲しみを倍加させる。マオが全身全霊をかけて歌い上げる、ラストの超ロングトーンがくるおしいほどにせつない。演出と歌がぴたりと寄り添う、素晴らしい名シーンだ。

 強烈なノイズとバグった画像の中に浮かび上がる、ARE YOU READY?の文字。穏やかな曲調が続いた中盤から急転直下、終盤はヘヴィでハードなロックンロール爆弾の連続投下だ。「dummy」ではShinjiと明希がステージを全力で駆け抜け、マオがセンター席へ突入して観客にマイクを向ける。さらにスピードを上げて「隣人」から「プロポーズ」へ、スタンドのてっぺんまでを巻き込んだヘドバン・パフォーマンスが壮観だ。強力なヘヴィメタル・ダンス・チューン「眩暈」ではステージで炎の柱がぶち上がり、全員参加のタテノリ・ジャンプで床がぐらぐら揺れる。真っ赤に染まるスクリーンと燃え盛る炎の中で幕を下ろした本編16曲は、15年間の歴史を80分に凝縮した、とことんソリッドでストイックなものだった。

 そしてアンコール。イントロで悲鳴のようなどよめきが起こった「空の便箋、空への手紙」の、せつなさと呼ぶにはあまりに悲しすぎる永遠の別れを綴る歌詞と、もの悲しいワルツの調べが胸に痛い。Shinjiの奏でるアコースティック・ギターのソロも、万感の思いを乗せた繊細でエモーショナルなものだ。

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