「シンガーとして、やっと自分らしくステージに立てるようになった…」
ライブ終了後の楽屋で、INORANは晴れ晴れした表情で、自身の想いを語った。
ビルボードライブ東京で行われた、INORANにとって今年最初のライブ『INORAN 2019 NEW YEAR PREMIUM ACOUSTIC LIVE』は、従来のバンドスタイルではなく“歌とアコースティックギターで自身の音楽性を表現する”という、新たな試みが行われたスペシャルな内容となった。
このアコースティックライブのルーツとなるのは、17年『SOLO 20TH ANNIVERSARY TOUR 2017-INTENSE/MELLOW-』で披露された、アコースティック編成による演奏セクション“Bar Mellow”である。Bar Mellowは、静と動の異なる音楽性をエレクトリックなINTENSE、アコースティックなMELLOWで描き出したセルフカバーベスト作『INTENSE/MELLOW』の世界観を、ライブで表現するためのものであったが、その演奏には普段のロックな激しさと異なるフォーキーな素朴さが宿っており、改めてINORANというミュージシャンの“奥深さ”に気付かされた。
INORAN自身も、このBar Mellowの演奏に確かな手応えを感じたようだ。17年ツアーの際、筆者は、ライブ後の楽屋で楽しそうにアコースティックギターを弾くINORANを目撃し、今もその光景が強く記憶に残っている。そう考えると、今回彼がアコースティック編成で、『INORAN 2019 NEW YEAR PREMIUM ACOUSTIC LIVE』を行ったことは、やはり必然だったのだろう。
アコースティックライブということで、今回はボーカルとアコースティックギターがINORAN、ピアノがTourbillonの“盟友”葉山拓亮、ヴァイオリンがYui、チェロが島津由美という、普段のバンドとは異なるアンサンブル編成になった。
