<YUMING、清志郎から星野源までが続々と降臨!>
この懐かしCM映像に続いてスクリーンに映し出されるのは80sの香りが漂うソバージュ姿の清水。いよいよ清水ミチコのオンステージだ。まず胃腸薬、頭痛薬、風邪薬と薬をモチーフにYUMING風のサウンドで歌う清水のオリジナル曲「青春のメディスン」。歌った後には紅白に出演したYUMINGバンドのメンバー(もちろんその場には居ないが)を紹介するあたり、芸が細かい。このYUMING流れで、続いては「中央フリーウェイ」のメロディーで歌う新ネタ「高輪ゲートウェイ」。さらに時事ネタとして、話題の角界をネタにしたIt's a 相撲(small) worldも。
10代のえなりかずきから、壇蜜、高畑淳子、山根会長と各世代の話題の人10人が登場する「100年の声の歌」。実弟・清水イチロウがサックスで参加する「スローバラード」と、様々な著名人が降臨させ、会場は大爆笑。極めつけは、お馴染み作曲法コーナー。ここでは椎名林檎、Mr.Children、星野源が憑依。いかにも書きそうな詞やメロディーに歌い方の特徴を絶妙に取り入れ、あたかも彼らの新曲を聴いているのではと錯覚させるほどの完成度。これはもはや清水ミチコにしかできない芸当だ。
ここで、ステージには森山良子がジョインする。ここまでを振り返り『参加してるのか、観に来てるのかわからない状態です!』と森山自身がこのイベントを楽しんでいるようで、マイクを足元に置いて靴紐を結び直したり、ステージに寝転がったりと自由奔放さを発揮。この天然ぶりには清水も『武道館で足元にマイク置いたの、百恵ちゃん以来、誰もいない!』と苦笑い。そしてふたりで歌ったのは、やもり(矢野顕子&森山良子)のナンバー「風のブランコ」。清水はピアノに前に座って矢野顕子になりきる。
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<森山良子が圧倒的な破壊力で会場を魅せる!>
清水が舞台を降り、初夢フェスのオオトリ、森山良子のステージがスタートする。『デビュー53年目の森山良子です。私のデビュー曲、19の春でした(笑)』と紹介して歌ったのは「この広い野原いっぱい」。「涙そうそう」「さとうきび畑」とお馴染みのナンバーを続くと、口ずさみはじめる人、じっと聴き入る人と思い思いに森山の歌声を楽しむ。
みなさん、お屠蘇はもう頂きましたか?と客席に向かって『乾杯』と日本酒の入った枡を掲げて歌ったのは「乾杯の歌」。ヴェルディのオペラ「椿姫」の曲で前半はイタリア語で歌う。見事なオペラ歌唱で客席を圧倒した。
『私の周りには亡くなった方も多く、いとこのムッシュも天国に逝きました。きっと天国で楽しく過ごしてるでしょう。そんな方々に捧げます!』とジャズ・スタンダードの「聖者の行進」に。ここでの森山の歌は凄まじいのひとこと。広いステージを縦横無尽に動き回りながら、伸びやかに艷やかに歌う。中盤にはトロンボーン、クラリネット、サクソフォンと様々な楽器のソロまでもボーカルで披露し終始客席を圧倒。清水ミチコも『聖者の行進にやられた!』と手放しで称賛した程の圧巻のパフォーマンス。本物の貫禄をまざまざと見せつけられ、オーディエンスもみな満足げだ。
森山良子のステージの興奮も冷めやらぬまま、アンコールに登場したのはサプライズ・ゲストのナイツのふたり。音楽ネタを織り込んだ小気味良いテンポの漫才で、客席を笑いの渦に包む。
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<武道館ラストといえば"サライ"。ここにあの名曲が加わって劇的な化学反応が!>
最後は全出演者がステージに再結集。武道館のラストといえば、24時間テレビでお馴染みの「サライ」。過去の清水ミチコ武道館でも歌われた定番中の定番だが、このまま終わらせないのが清水ミチコ。『やってみたかった事がひとつある。きっと合うんじゃないかな』と「サライ」に「昴」をミックスさせるという罰当たりな企画を発表。ステージ左側に森山、一青窈、椿にナイツが布陣し「サライ」を受け持つ。一方、右側には清水姉弟、藤井、黒沢が並び「昴」チームに。『平成に向かって別れを告げようではありませんか!それでは、みなさんご唱和ください!』と清水の発声で同時に始まったサライと昴。左右のモニターにはそれぞれの歌詞も映し出され、お客さんも左右に分かれて別の曲を歌う。まさかとは思ったが、確かに合う。思った以上に溶け込んでいる。最後は紙吹雪が会場内を舞い、気がつけば感動のフィナーレに。清水ミチコ恐るべしだ。『もしもう1回機会があれば、この2曲に武田鉄矢さんの名曲を足してみたい!』とさらなる野望を明かして舞台を降りた。エンディングにはスクリーンに再び、瀬戸内寂聴が登場してのお別れの挨拶。3時間超に及んだ笑いあり、感動ありの初夢フェスが終了した。この日の模様は、3月にWOWOWで放送される。
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