宮本浩次の余韻が残るステージ上で、沖祐市(Key)が美しいピアノの旋律を奏でていくなか、たくさんの想い出がつまっていると思われる様々なスカパラの写真がビジョンに映し出され、沖祐市(Key)の口笛きっかけで、「メモリー・バンド」の演奏がスタートする。「メモリー・バンド」の作詞をした谷中敦(B.sax)は、かつてインタビューで「今までいてくれたメンバーも、関わってくれたボーカリストの人たちも、スタッフの人たちも、応援してくれているお客さんも全部含めて東京スカパラダイスオーケストラなんだ」と発言していた。
幾分涙ぐんでいるかのように見える表情から、その想いを観客に投げかけ、本編ラストの曲「Glorious」が奏でられる。祝祭感溢れるイントロとともに銀テープが会場に舞う。ステージ上のスカパラメンバー9人と会場にいる12,000人の観客が心から楽しんで歌い踊り、本編が終了となった。
アンコールの1曲目はやはり「クリスマスカ」だ。クリスマスソングとして多くの人が知っている「もろびとこぞりて」をスカ・バージョンにしたもので、1989年にスカパラが初めて世に放ったミニアルバム「東京スカパラダイスオーケストラ」(通称:黄色いアナログ)に収録されているナンバー。一般的にはクリスマスイブの深夜に放送されている『明石家サンタ』で流れる曲として知られているのではないだろうか。
谷中敦(B.sax)が「ゲストがせっかく来てくれているのでもう1曲づつ演ってもらおうかな。」と言うと、観客から大歓声が沸き上がるが、その大歓声よりもさらに大きな声で「宮本浩次!!!!」と谷中が呼び込む。スカパラがエレファントカシマシのトリビュートアルバム(2018年3月発売)に参加することになった際、俳優の高橋一生をボーカルに迎えて「俺たちの明日」をカバー。このことが結果として、スカパラのゲストボーカルに宮本浩次を迎えるきっかけとなったことから、スカパラの演奏で宮本浩次が歌う「俺たちの明日」が披露される。同世代の両雄が本当に楽しそうに歌い演奏し、最後は同い年の谷中敦(B.sax)と宮本浩次が笑顔で抱き合った。ステージを降りようとする宮本浩次と次の出番の斎藤宏介がすれ違いざまにハグをし、リレーのバトンのように宮本浩次から斎藤宏介へマイクが渡される。
「やった!宮本さんとハグした!」と言いながら嬉しそうに斎藤宏介がステージへ上がる。
スカパラのゲストボーカルに迎えられて「白と黒のモントゥーノ」をリリースしてから1年ほどの間で、たくさんステージをともにしたことなど、スカパラへの感謝の気持ちが伝えられる。そして、斎藤宏介の曲フリからUNISON SQUARE GARDENの「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」が披露される。ホーンセクションが印象的なアレンジにより、楽曲から新たな息吹が感じられる。ダンサブルなナンバーで会場を盛り上げステージをあとにする斎藤宏介。
斎藤宏介からマイクを次に受け取ったのは、スキンヘッドのカツラを被り、サングラスをかけ、ど派手なストールを巻いて、今は亡き、クリーンヘッド・ギムラになりきったTOSHI-LOWだ。加藤隆志(Gt)が「TOSHI-LOWがなんで今日この格好をしてきてくれたかは、次の曲を演ったらわかると思います」と言って奏でられた曲は「ジャングルブギ」。生前のクリーンヘッド・ギムラがスカパラでボーカルを務めて歌っていた曲だ。ギムラを愛した観客も、ギムラのことを知らない観客も、みんな楽しそうに踊っている。
続いて、加藤隆志(Gt)から呼び込まれ、TOSHI-LOWからマイクを受け取った峯田和伸がステージに駆け寄ってくる。ステージに上がった峯田和伸が、10代の頃に音楽をすごく好きになったがずっと一人だと思っていたこと、大人になってスカパラのメンバーといっしょに音楽ができてすごく幸せ者だと思ったこと、スカパラみたいになりたいって思ったこと、音楽の力がすごいと実感した出来事などを誠実に語っていく。そんな峯田和伸のひとつひとつの言葉にスカパラメンバーもグッときている。そして、峯田和伸によって歌われたのは谷中敦(B.sax)がはじめて作詞をしたスカパラのナンバー「めくれたオレンジ」だ。情感たっぷりに歌い上げた峯田和伸をスカパラメンバーも大きな拍手で送りだす。