あまりにも自由過ぎる展開のあとは、電飾が散りばめられたピアニカとジャケットとサングラスを身に着けたNARGO(Tp)がピカピカと光を発しながら「SKA ME CRAZY」を披露。回転するステージ上でメンバーが演奏するなか、大森はじめ(Per)とNARGO(Tp)は客席に下りて観客とハイタッチしまくる。
プロ野球・千葉ロッテマリーンズの応援団がチャンステーマとして使用していることでも知られている「砂の丘~Shadow on the Hill~」では加藤隆志(Gt)と川上つよし(Ba)とホーンズの4人が東西にのびた花道に広がり、赤い照明と相まってクールに熱く楽曲を奏でていく。「星降る夜に」ではGAMO(T.sax)のテナーサックスがメロディーを奏で、会場全体を優しく包み込んでいく。
加藤隆志(Gt)がMCで「この1年間、すべては今日のこの日のためにやってきたと言っても過言ではないです。満員御礼ありがとうございます!」と改めて観客に感謝の気持ちを伝える。加藤の提案で「This Challenger」を西側の花道のサブステージで加藤が、東側の花道のサブステージで谷中が歌うことに。
デビュー30周年を迎えようとするバンドだが、いつまでもバンドのテーマとして“挑戦”を掲げているスカパラらしいナンバーだ。
30年に渡り演奏し続けているスカパラライブのアンセム「スキャラバン」が激しく熱く披露され、観客をさらに笑顔で踊らせていく。
イントロが流れるや否や、花道を猛ダッシュで峯田和伸が突き進んでくる。
ペットボトルの水を被ってびしょ濡れの状態でセンターステージに立ち「ちえのわ」を絶唱する。間奏でホーンズの4人が峯田和伸を取り囲んで演奏するも、後方にでんぐり返りをしたりとステージ狭しと走り回り絶唱し続け、鬼気迫る歌声に会場の観客も全身で聴き入っている。最後も後方への完璧なでんぐり返りで曲を締めたあと、走りながらステージを後にする峯田和伸が優しい顔に戻っているのが印象的だった。
峯田和伸が生み出した熱狂に引っ張られるように、加藤隆志(Gt)のギターが「White Light」で炸裂する。加藤が「今年いちばんのジャンプを見せてくれ!」とシャウトして、会場中の観客の心と体をジャンプさせる。
燃え盛る炎の映像がモニターに映し出されると、次に登場するボーカリストへの期待を込めた大きな歓声が沸き上がる。そして、宮本浩次が花道に立った瞬間、さらなる大歓声が場内を包み込む。ボーカリストとしての矜持を抱え、凛々しすぎる顔で花道に立ち、センターステージで待つ9人のスカパラを見つめ続ける。イントロが鳴り響いても微動だにせず立ち尽くしたかと思うと『人生は美しいアルバムじゃない 撮れなかった写真さ』のフレーズを歌いあげる。スカパラの演奏が場内に響くなか、宮本浩次が「エビバデ!」と叫びながらセンターステージへと歩を進めていく。センタステージでは演奏するスカパラメンバーに挨拶するかのように歌いながらそれぞれのメンバーの元へ近づいていき、そのたびにスカパラメンバーも宮本浩次に笑顔で応えている。エネルギッシュかつパワフルに歌い終えた宮本浩次が大きく両手を広げて「オッケー!エビバデ!東京スカパラダイスオーケストラ!ザ・ミュージシャン!」とスカパラに対して最大級の賛辞を送り笑顔でステージをあとにする。