2018.12.25 公開
KREVA、「完全1人ツアー」ファイナル・福岡公演が 大盛況にて終了!

写真提供:ビクター  画像 1/15

HIP HOPアーティストKREVAが底なしの音楽愛を伝える、正真正銘のワンマンショウ。2018年12月に大阪、名古屋、札幌、仙台、東京の豊洲とお台場、そして福岡と全国7公演を巡る「KREVA完全1人ツアー 2018」。そのファイナル公演となった12月23日(日・祝)Zepp Fukuokaの模様をレポート!
発売と同時にソールドアウトした最終日。Zepp Fukuokaは開演前から期待と興奮で早くも熱気に包まれている。ステージには、円形というか「C」の形状をしたDJブース、左右には機材が用意されている。開演予定の17時オンタイムに幕を開けた。

オープニング曲が流れ、暗転の中、KREVAがステージ中央に登場。多数の機材に囲まれたKREVAは、準備された機材を入念に確認し、1音からスタート。1曲目鳴り響くのは、『Intro』。メロディアスなピアノの旋律で、ドラマティックに幕を開けると、『トリートメント feat.DABO CUEZERO』『神の領域』を連打し、ターンテーブル2台とミキサーでシームレスに連なる自身の楽曲群をプレイし、聴衆を一気に惹き込む。重厚にして神々しい“神の領域”では、早々に昂ぶった高速ラップで会場内を沸かせる。

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「このツアーは1人だから、とにかく次の曲の準備が大事。その準備の時間も楽しんでもらうべく、その間に流れる音はもちろん、SEとか会場中に流れる音は全部俺が作っている。最初から最後まで俺の音楽で満たされて帰って」と、KREVA。中央のステージに鎮座したDJブースには、多数の機材がセットされている。そして手元と天上カメラを配し、ステージをどう進めるか、DJは何をするのか、作業をビジョンに写しながら音の構造に至るまでわかりやすく解説。楽しみ方が広がったところで、実際にDJで曲をつなぎながらラップする、25分間ノンストップのメドレーへ突入した。

『Change My Mind』で、「変わらず変わってくのが俺の生き方」と宣言すれば、『Changing Same』では「俺は変わらず でも変わってく」と自分と向き合い、『THE SHOW』で「自分自身で変えられる」とみんなの背中を押す。一貫して伝えてきた「変わらず」「変わってく」というメッセージに呼応するかのように、客席は腕を上げて、大合唱しながら応える。10曲のメドレーに合わせてどんどん一体感を増すフロアを見渡しながら、KREVAは笑顔をこぼす。

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 「まだまだウォーミングアップ」と言いながら、今度はMASCHINEを使ってビートを作る工程を指南。「作ってきた音楽をそのまま使っても、別に何も変わらないよ。でも、千%成功するトリプルアクセル、見たい? 何年も練習してきた人が成功させるから、ワーッ!!てなるんでしょ」。難易度の高い完全1人のパフォーマンスについて彼はそんなふうに語り、『健康』『俺の好きは狭い』をプレイして見せ、説得力あるサウンドとリリックに、ファンも身を委ねて熱を帯びていく。
 KREVAの武器でもある高速ラップで魅了する『基準』では、一糸乱れぬ完璧なライミングに、会場のボルテージは最高潮に!ひと息で畳み掛ける完璧なラップパフォーマンスに圧倒された観客を前に、今度は「基準早口完全攻略講座」と銘打ち、メガネのティーチャースタイルで、韻を踏むポイントをレクチャーしてみせる。紐を解くほど、スキルの高さが浮き彫りになり、思わず唸る観客。その直後にはこの時期にふさわしいプレゼントとばかりに『クリスマス・イブRAP』を披露。韻に耳を傾けながら特別な選曲で過ごす特別な時間に、ファンは酔いしれた。

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ライヴ後半には、KREVAの楽曲制作で欠かせないMPC3000とMPC4000を説明。MPC3000の音をMIDI FIGHTER 64というMIDI PADで操り、リバーブやオートチューンの一人多重コーラスを加える“ひかり”。バンドのように機材をパートごとに出力させて音圧を体感する『百人一瞬』『存在感』、敢えて鍵盤を用意せずにAbleton Push 2で挑むヴォコーダーの「押し語り」“Tonight”など、趣向を凝らした演出で音楽の奥深さ、そして音楽の聞き方のヒントを与えた。
  あっという間に駆け抜けた2時間半のラストナンバーには、近年のライヴであまり聴かれなかった、ソロ第1作目『希望の光』を選曲。イントロと同時に歓声が上がり、さらに熱を帯びる会場。懐かしいPVも流れ、テンションは最高潮のまま本編が終了した。

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 圧巻のステージを見せつけられ、興奮が収まらない様子のフロアは、すぐさまアンコールを熱烈リクエスト。Tシャツ姿で再び登壇するやいなや、今度は椅子に座り、「9分08秒使って、曲を作ってみたいと思います」と、即興トラックメイキングを行なうことに。様々なジャンルのサウンドを登録したマシーンを使い、16個のパッドをコントロールしながら音の高さ、テンポ、メロディラインを選択していき、「今日の出来が、一番カッコいいかも!」と、KREVAもテンションを上げながら、たちまちスタイリッシュな1曲を作り上げた。改心のビートに、身を委ねるオーディエンスのリアクションも上々!緊張感あるミッションをやり遂げ、最後は代表曲『音色』の最新パフォーマンスへ。「完全1人ツアー」の幕を閉じた。

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 「完全1人ツアー」は、KREVAというひとりの音楽家として、底知れぬ可能性と、ふだんの努力の側面を見せた時間でもあった。終演後、満面の笑みで「ありがとうございました」と頭を深々と下げた姿は、達成感というよりは、もう次へ向かっているようにも見える。改めて実直に音楽と向き合い、衰えを知らない貪欲なチャレンジ精神を再確認したKREVAは、満を辞してソロ活動15周年へ歩みを進める。

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