2018.12.23 公開
【ライブレポート】Dragon Ash、盟友たちと巡った対バンツアー「UNITED FRONT」を完走!ACIDMANとのファイナル公演をリポート!

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【ライブレポート】Dragon Ash、盟友たちと巡った対バンツアー「UNITED FRONT」を完走!ACIDMANとのファイナル公演をリポート!photo by TAKAHIRO TAKINAMI  画像 3/9

「今回の6公演でいろんなバンドと対バンして交流して、たくさんの宝物をもらいました。これからのバンド人生の糧にして、いい音楽を続けていきたいと思います」。そんなKjのMCの後に披露されたのは、「静かな日々の階段を」。ライブで得たエネルギーが日々を生きる糧となっているのは、今このフロアで同じ時間と音楽を楽しんでいるオーディエンスも同様だと思う。だからこそ、ハンドマイクで語りかけるように歌うKjの言葉がいつも以上に熱く響いたのは、きっと気のせいではないだろう。
「(今回対バンした6組の中で)ACIDMANは俺らとジャンル的にいちばん遠いと思う。でもチョモランマとエベレストみたいに、ルートは違うけど登ってる山はきっと同じ。たまに峠や分岐点で一緒になればいい。ACIDMANのファンのみなさん、これがミクスチャーロックです。とっても強くて優しい音楽です!」

ミクスチャーロックはジャンルを表す言葉というよりも、さまざまな音楽の要素を貪欲に取り込み、自分たちの世界観を自由に表現する音楽家たちのスピリット自体のことを指すものだと思う。その意味ではACIDMANも、Dragon Ashと同じ精神のもとで音楽を歌い奏でる同志だ。実際、両者は音楽性や表現方法こそ違えど、同世代ということもあり、プライベートでもかなり親交が深い。だからなのか、さっきの恩返しとばかりに「百合の咲く場所で」の途中、Kjの手招きで大木がステージに再登場。二人で共にサビを歌った後、そのまま大木がメインを丸ごと歌わされるという一幕も。さらに会場が一体となってコーラスと掛け声をあげた「Fantasista」では、ACIDMANのドラマー、浦山一悟がKenKenとダンサー陣の手招きでステージに現れ、見事なジャンプを決めてフロアの笑いをさらう。

「俺たちがミクスチャーロックの生き字引なんだよ!」。
笑顔でそう叫ぶKjの誇らしげな声がフロアにこだまする。そして、「今が革命前夜。お前らもまだまだ革命前夜」という言葉を合図に「Viva la revolution」がスタート。 かつて、『TMC』や『DSM』といったイベント形式でツアーを行い、ミクスチャーロックの概念を世間に広く波及させたDragon Ash。彼らにとって、フェスやイベントいう異種格闘技は常にバンドに新たな刺激をもたらす最強のカンフル剤だ。共に革新的なロックを追求する6組と重ねた『UNITED FRONT』で得た共感や刺激。それは間違いなく、各々が次のステージへと進む大きな糧となるだろう。

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今回のツアーでは、6組の対バン相手それぞれからDragon Ashに演奏してもらいたい曲をリクエストしてもらい、それを各公演のアンコールで披露してきた。ACIDMANからのリクエストは、「陽はまたのぼりくりかえす」。演奏前、ドラムの桜井が広島のフェスでのACIDMANとの馴れ初めを披露した後、フロアに力強く宣言する。

「今回の対バンツアー、とっても楽しかったんで来年も絶対やりたいと思います。みなさんも絶対来てください!」。
 
 動と静が共存する美しい旋律と共に、観客のシンガロングがエモーショナルに響きわたっていく。かけがえのない同志や、オーディエンスという心強い味方と共に繰り広げた刺激的な対バンツアーの日々。そこで得た宝物がどう結晶し、花開くのか⁉︎ 永遠の革命児、Dragon Ashの2019年がますます楽しみになってきた。


取材・文/早川加奈子

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