lynch.のボーカル葉月による単独公演『奏艶』が、12月1日(土)竹芝NEW PIER HALLにておこなわれた。今回で4度目の開催となる本公演はストリングスやピアノを取り入れたクラシカルなステージで、1部・2部共にチケットは発売直後に即完売した好評企画だ。
華やかなドレスや着物など、いつものライブの軽装とは異なるパーティー仕様の装いでオーディエンスたちが会場に集い、12月の季節感が漂う場内。開演前にはステージから弦楽器のチューニング音が聴こえ、これから始まるリサイタルに期待が高まる。
シックなスーツ姿で葉月が登場すると、『奏艶』のために書き下ろしたオリジナル曲「軽蔑」でスタート。
続く「D.A.R.K.」はlynch.のラウドな楽曲からがらりとクラシックスタイルにアレンジされ、グランドピアノと6名のストリングス、そしてティンパニが奏でる音色たちが実に上品だ。着席スタイルで静まり返ったフロアに向かって葉月は“この荘厳な空気…MCのテクニックで粉々に破壊します(笑)ようこそいらっしゃいました!”と、通常のテンションでトークを始め、場を和ませた。
“最近は色んな人がこういうクラシックスタイルでのライブをやってるから差をつけたくて、音だけじゃなく照明などもチャレンジしてます。この時間、僕は楽しくてしょうがないです!”と話すと、L'Arc-en-Ciel「花葬」、安室奈美恵「Dreaming I was dreaming」、B'z「月光」のカバーを次々と披露してゆく。
“昨日sadsのライブに行きまして。そこで清春さんが「俺らの音楽好きな奴なんて、クラスに1人しかいないんだから」と言っていて「それだ!」って共感して…”と、自身が敬愛する清春(sads)について話し、黒夢「亡骸を」とLUNA SEA「FOREVER & EVER」、そしてDIR EN GREY「Ain't afraid to die」を歌い上げた
。“僕は欲の塊ですから。来年は「葉月」として活動して20周年。来年も、さらに楽しくて、激しくて、素晴らしいもの見せられるようにしたいと思います。”と決意表明すると「PHANTOM」、「PHOENIX」とlynch.のナンバーを力強く、壮大なサウンドにのせて披露した。
ラストには、6年前の12月に他界したボーカリスト・Kによるバンド、Pay money To my Pain「ANOTHER DAY COMES」のカバーと、葉月が亡き祖父について書いた「ETERNITY」を丹精込めて歌唱し、1部の幕が閉じた。
lynch.は来年2月8日(金)9日(土)にZepp Nagoyaで主催イベント『BLACK BEAUTY BEASTS』を開催する。両日出演のlynch.の他、2月8日(金)にはアルルカン、Angelo、D'ERLANGERが、2月9日(土)にはRAZOR、MERRY、MUCC、SUGIZOが出演する。また、年末に『COUNTDOWN JAPAN 18/19』への初出演(12月29日(土)に出演)が決定しており、12月31日(月)にはZepp Nagoyaで『lynch. COUNTDOWN LIVE「2018-2019」』を開催する。
Text by:羽村萌