そして、一旦竹内が退場し、レア映像の上映がスタート。
「LET IT BE」のピアノ弾き語り(1981年テレビ東京出演時)、坂本九とのデュエット「カレンダーガール」(1980年NHK出演時)、
「夏の恋⼈」(1980年フジテレビ出演時)など、デビュー当時のTV出演映像やパフォーマンス映像が上映され、現在はメディアにほとんど出ることのない彼女の貴重な蔵出し映像に、観客からの溜息が漏れる。
そしていよいよ、プレミアム・ミニライブがスタート。
舞台袖から山下達郎を始めとするメンバーが登場。そして、トークコーナーとはうってかわり、ドレッシーなグリーンのスーツに身を包んだ竹内が登場。
「高い競争率を潜り抜けてようこそいらっしゃいました。今日のミニライブは、達郎を含めた5人のメンバーとアコースティック仕立てで、お送りします。」
バックを固めるのは山下達郎のツアーメンバーとしてもおなじみのメンバー
伊藤広規(ベース)、難波弘之(ピアノ)、佐橋佳幸(ギター)、宮里陽太(サックス、パーカッション)。
そしてもちろんバンマスを務める山下達郎(ギター、パーカッション)。アコースティック編成とはいえ、豪華な布陣となった。
オープニングナンバーは「待っているわ」。80年発売の3rdアルバム『LOVE SONGS』からのナンバーで、
熟練のメンバーたちによる今回の編成ならではのブルージーな演奏がたまらない。
「我々がお好きなお酒はなんでしょう?」「ウイスキー!」観客との粋な掛け合いから入ったのはCMソングとしても知られる「ウイスキーが、お好きでしょ」、
2010年に竹内自身もシングルとして発表をしている有名曲。ジャジーなムードで会場からの拍手喝采を浴びる。
「映画「souvenir the movie」でもやっている曲です!」と、紹介されたのは「五線紙」、こちらも3rdアルバム『LOVE SONGS』からの名曲だ。
誰からともなく発生した観客の拍手に合わせ、リズミカルに竹内が気持ちよさそうに歌う。
「次の曲は20代の若い方々からリクエストが多い曲です」
続いて、竹内の代表曲とも言える「元気を出して」。ハンドマイクを手に、上手から下手へゆっくりと移動しながら、歌い上げられる名曲に会場が酔いしれる。
そして、楽曲終盤では山下達郎と佐橋佳幸がコーラスに参加、楽曲の世界観を盛り上げる。
メンバー紹介に続き、
「達郎と一緒に歌おうと思います、私のライブにはもれなく達郎がついてきます(笑)」「全然ツアーが終わった感じがしない(笑)」と夫婦漫才のようなトークから始まったのは「All I Have To Do Is Dream」。
竹内も「エヴァリー・ブラザースの中で一番好きな曲です」と話す、名デュエットナンバーだ。
続くは、2014年発売のアルバム『TRAD』に収録された「静かな伝説(レジェンド)」。
竹内自身がハーモニカを吹きながら、観客から手拍子に合わせ、フォーキーなナンバーを歌い上げる。
「特殊な形で活動をしてきたにもかかわらず、いつも応援してくれてありがとうございます。
皆様の声援に助けられ、今までやってこれました。70歳になっても80歳になっても歌い続けたいと思います。本当にありがとうございます。」と感謝を述べる竹内。
「最後は景気よく行きたいと思います。」と、紹介されたのはラストナンバーの「アンフィシアターの夜」。
彼女のライブには欠かせない、ファンキーなナンバーだ。会場のボルテージは最高潮を迎え、むんむんとした熱気の中、拍手が巻き起こる。
「楽しい時間をありがとう!」とライブを締めくくる竹内。
写真:濵田志野 画像 3/3
そしてバンドが退場し、「おまけです。いつものやつで、すみません(笑)」と山下夫妻のみで始まった真のラストナンバーは、
これまたエヴァリー・ブラザース他のカバーとして知られ、山下夫妻のデュエットナンバーとして定番の「LET IT BE ME」。
ファンからも非常に人気の高いナンバーで、しっとりと歌い上げられる絶妙なハーモニーが最高だ。
「今日はありがとうございました。」
「これからも竹内まりやをよろしく!」
と、曲の余韻と万雷の鳴り止まぬ拍手の中、イベントを締めくくった竹内と山下。
竹内本人にとっても40周年を記念したスペシャルなイベントだったと言えるが、同じ空間を共有したファンにとっても、夢のような時間だったに違いない。
