2018.11.13 公開
藤原さくら、2部作のEP「green」と「red」をたずさえた 「Sakura Fujiwara tour 2018 yellow」が故郷・福岡でファイナル!

Photo by 田中聖太郎  画像 1/7

開演を告げる照明が落ちると、拍手に包まれてメンバーが登場。ステージはmabanuaをはじめ、プロデュースや演奏に携わってきた面々が中央のマイクを囲んで半円型に横並びするアットホームなスタイルだ。軽やかなドラミングからオープニングを飾るのは、代表曲『かわいい』。袖口から登場した藤原さくらが歌い始めると、神様からのギフトとも称されるスモーキー・ヴォイスが会場をたちまち魅了し、コーラス・Megとのハーモニーが心地よさをより加速させていく。
 序盤はミディアム・テンポの楽曲群で会場を温めた後、「ただいまー!帰ってきたよ」の第一声に、拍手と歓声が沸き起こる。「さっそく友だちの顔が見える」と、緩んだ笑顔で彼女が見つめる先には、さまざまな世代のファンとともに、この日は家族の姿もあった。


 MCでは『red』の聴きどころの一つ、「若おかみは小学生」の主題歌2曲を手がけた話題も。「映画観てくれた人いるかな?ん、いないの?」と、友だちに話しかけるような素のリアクションで会場を和ませた後、『NEW DAY』、『また明日』を披露。明るさと切なさ、主人公の気持ちになって異なるアプローチで描いたというポップスもまた、聴く人の心にじんわりと優しさを灯す。彼女の優れた才能を感じる一面だ。

藤原さくら、2部作のEP「green」と「red」をたずさえた 「Sakura Fujiwara tour 2018 yellow」が故郷・福岡でファイナル!Photo by 田中聖太郎  画像 3/7 藤原さくら、2部作のEP「green」と「red」をたずさえた 「Sakura Fujiwara tour 2018 yellow」が故郷・福岡でファイナル!Photo by 田中聖太郎  画像 4/7


 中盤は趣向を変えて、アコースティックセットで展開。mabanuaとふたり、アンニュイに届ける『うたっても』は、製作に煮詰まった時にできた曲だというが、弱い部分も最終的には歌になってしまうところがまた、彼女らしさであり、裏を返せば強さでもあると思わずにいられない名曲になりそうだ。続いて、ウクレレを手にし、コーラスとベースを加えて英詞で歌う『Ellie』。彼女のルーツを感じさせる「福岡時代に書いた曲」を届けてくれた。最後はギターとピアノも加わり、全員がステージの中央に身を寄せながら演奏。映画のシーンさながら旅する楽団のような雰囲気で、息の合ったチャーミングなステージを楽しませてくれた。


「後半戦、まだまだ楽しめますか?」の声とともに、終盤に向けては、エレキギターを手にし、アップテンポなサウンドからロック・アレンジを効かせた『Necklace』で盛り上がりは最高潮。そこから、壮大なバラード『The Moon』へと続き、ラストは『クラクション』でステージを後に。すぐさま拍手とアンコールが会場に響き渡った。

藤原さくら、2部作のEP「green」と「red」をたずさえた 「Sakura Fujiwara tour 2018 yellow」が故郷・福岡でファイナル!Photo by 田中聖太郎  画像 5/7
 アンコールに応えて出てきた彼女は、去年から習い始めたピアノの前へ。鍵盤の音色に乗せて『はんぶんこ』を弾き語りした後、サプライズとしてセットリストには含まれていなかった『ありがとうが言える』をギターの弾き語りで演奏した。上京してからの気持ち、今回のステージを支えてくれた沢山の人への感謝を、改めて言葉にして伝える場面では、その誠実さに胸を打たれた。

 

藤原さくら、2部作のEP「green」と「red」をたずさえた 「Sakura Fujiwara tour 2018 yellow」が故郷・福岡でファイナル!Photo by 田中聖太郎  画像 6/7
最後に再びバンドメンバーを呼び込み、『bye bye』をアンコールのラストにしてラストを飾った。家族や友人、“親戚みたい”と表現する会場のファンへ向けて、「笑ってお別れしよう」と必ずまた福岡に戻ってくるという強い思いを歌に込めた。

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