ダブルアンコールを受けて、ラストに披露されたのは「なまはげ」。観衆を異世界へと導くかのようなこの情緒こそが、人間椅子の真骨頂だ。今宵は銅鑼の連打がとりわけよく沁みる。この曲が味わい深い余韻を残すと、フロアからは3人の手練れに向けて、いつまでも賞賛の声が送られていた。
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終わってみれば、要所要所で定番曲を披露しつつも、レア曲ざんまいのセットリスト。彼らのファンのかゆいところに手が届くような濃密な内容で、晩夏の旅を締めくくるにふさわしいツアーファイナルだった。
来年デビュー30周年を迎える人間椅子。そのライブの一瞬一瞬には、彼らが長年培ってきた経験が滲み出ている。「来年に向けて、30周年記念のオリジナル・アルバムを作ります。
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かつて聴いたことのない恐ろしいアルバムにしようと思っています!」と和嶋はこの場で宣言した。己の信じる道を貫くことの大切さ。彼らの〈恩讐の彼方〉をこの先も共に味わいたい。
TEXT BY 志村つくね
2018年9月7日(金)東京・TSUTAYA O-EAST公演
〈恩讐の彼方~人間椅子2018年晩夏のワンマンツアー〉
〈セットリスト〉
1. 鉄格子黙示録
2. 晒し首
3. 時間からの影
4. 夜間飛行
5. 品川心中
6. どだればち
7. 野垂れ死に
8. ダンウィッチの怪
9. 命売ります
10. 心の火事
11. 黒猫
12. 悪夢の添乗員
13. 地獄の球宴
14. 雪女
15. 針の山
EN.1-1. 辻斬り小唄無宿編
EN.1-2. 地獄のヘビーライダー
EN.2-1. なまはげ
