2025.10.24 公開
山田裕貴「ファンの人たちに、形に残るもので恩返しを」約6年間に渡る「TVガイドdan」連載の集大成「怪人」発売!

山田裕貴「怪人」(東京ニュース通信社刊)  画像 1/10

山田裕貴「怪人」の発売を記念したイベントが、10月19日(日)に開催。イベントの前に行われた会見に、山田裕貴が登場した。
山田裕貴が、役を生きるをテーマに’19年から’25年の約6年間に渡り「TVガイドdan」で連載した「山田裕貴の怪人百面相」を1冊にまとめた「怪人」を発売。役者と一人の人間としての二面性をテーマに構成された本作は、俳優としてさまざまな人生を生き続ける山田の本質を多角的に紐解くようなストーリー仕立てで展開。いろいろな人や職業、時には人ならざるものなどになりきる姿が収められた1冊となっている。

【写真】「怪人」の発売を記念したイベントに登場した山田裕貴(9枚)


出版物を発売するのが8年ぶり3冊目となる山田。「コロナ以降、ファンの人にお金使ってもらうのは映画館や作品のためだけにしてほしいという思いがあった」と明かしつつ、「東京ニュース通信社の方が熱意を持って『まとめ本にしませんか』と言ってくださったので。(タイトルが)『怪人百面相』だし、僕が意見をいっぱい言わせてもらって写真を選んだり、ページを変えたりするのをやめて、側から見える、演じている僕みたいなものを連載でも表現していたので、僕の思いより、誰かが作る僕という見方でもおもしろいなと思いました」と語った。


さらに「連載の中で、編集者の方にすごく無理難題を言ったりしていたんですよ。月っていうテーマの時は、明かりを変えるだけで、ページめくっても、僕の顔がドーンとあるだけ。雑誌を作る上で、そんなありえないじゃないですか?そういう無理難題も掛け合ってくれた編集者の方の思いを汲みたいなと思って。あとはやっぱり、ファンの人たちに、形に残るもので恩返しを何もしてないなと思いまして。一つ、ありがとうの気持ちになればと思い『怪人』に至りました」と発売に至るまでの経緯を明かした。


自身のお気に入りのテーマを聞くと、「着ぐるみ、アリ、クラゲ…人じゃないんですけどね」と回答。着ぐるみでは「6ページぐらいあって、5ページ僕の顔が写らないっていう。本当に着ぐるみを被って、代々木公園で子供達に急に絡んでいったりしたんですけど。俳優って側で見えているもので語られてしまったり、僕が今ここでしゃべっていることも、どういうふうに伝わっていくか分からなかったりする世の中なので。『本当の僕って何なんだろう』みたいなものを、その着ぐるみで表現できたわけですよ。雑誌の中でほかの俳優さんたちがページを重ねる中、僕のページだけ着ぐるみを被っていて顔が出ていないみたいな、そういうとっぴなことをやってみたかった。それが本当に、中に僕が入っているのかわからないっていう状態って、今の世の中に似ているなあっていう感覚もあって、そういうメッセージ性もありました」とテーマに込めた思いを語った。

 

アリについては、「現場の空気が変わったんですよ」と当時の撮影の様子を振り返りながら、「いつもご一緒しているスタイリストさんやメイクさんも『むずかしい』と言っていて、現場でもカメラマンさんが『どうしよう』となっていて。『じゃあスタジオに吊るしてある紙をくしゃくしゃにして、土の中みたいなイメージにしませんか』とアイデアを出したら、衣装も、メイクも、と盛り上がっていって。普段、こんなことないんですけど。スタジオのスタッフさんたちも乗ってきて、『照明もこうしたほうがいいですか』と僕やカメラマンさんに聞いたりして。『めっちゃクリエイティブしてるやん!』と思ったアリが、ハイブランドのモデルさんばりの出来で。アートってこういうことだな、その場の即興で、僕たちの頭一捻り、心一捻りでどんなものにでも消化できるんだなっていうのを感じられました」と達成感をにじませた。

さらに、「ちょっと『怪人百面相』、もうそろそろネタも尽きてきたし、100回やりたいと言っていたけど終わらなきゃいけないかなって思っていたんですが、アリで持ち直したんですよ。その経験はお芝居の現場でも、今の現場が自分の中で気持ちを作りづらくても、頭一捻り心一捻りでどれだけでもやってやるというふうに思えたきっかけだったので、今は『アリにありがとう』ですね」とダジャレを織り交ぜ、会場の笑いを誘った。

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