約6年間の連載期間での環境の変化を尋ねると、「僕の心意気と心は変わってないんですけど」と前置きし、「わかりやすく言うと、スタッフさんたちが『山田くん』とか『裕貴!』って呼んでくれていたのが、『あ、山田さん』みたいになってきちゃったっていう。悪いことじゃないんだけど、『こんなに距離あったっけ?』みたいな。周りが僕を大きくしていってくれているなっていうのと、同時にちょっと寂しさを感じることもあります。フランクにしゃべりたいんだけど。その中でも、もちろん毎現場すごく楽しいです」と心境を語った。
また、「主演作が『木の上の軍隊』『ベートーヴェン捏造』『爆弾』と連続した時の撮影期間って、5ヶ月の間で3本やっていて。それがクランクアップして、次の日から『ちるらん 新撰組鎮魂歌』のアクション練習が始まって。『ちるらん』のアクション練習を10日間ぶっ続けでやってそのままインするとか、とんでもないスケジュールをどうにかしたいなと思います。これは文句じゃなくて、クオリティーを上げたいという。僕はこれで準備ができているのかという不安というか、これは果たしていい俳優なのかって、自分に問う日々が続いている」と吐露。
「やっぱり準備期間を持って作品に挑むわけだし。僕はもしかしたら『怪人百面相』だったりいろんな現場で100作以上やってきたから、頭一捻り、心一捻りを毎現場続けてどうにかやってきたかもしれないけど、ここから先もっとクオリティーを高めたり、ハイレベルのものを目指す上で、自分の中に落とし込む時間だったり、勉強する時間だったり、アクションなら精度を上げる時間が圧倒的に足りてないんじゃないかっていうのはものすごく思います。その中で『山田くんすごいね』と言われても、『もうちょっとできたかもしれないな』と思っている自分がものすごく嫌だなっていうのを思っています」とストイックな姿勢を見せた。
今したいことは何かという質問が飛ぶと、「2つあります。ぜいたくは言わないので、準備の期間、勉強する時間がほしいですね。ぜいたくを言うのであれば、ちゃんとした休暇がほしい。それを考えなくていい時間。これは本当にネガティブに書かないでほしいんですけど、休みたいっていうことではなく、自分の中の心のキャパを増やすためにも、1回リセットしていろんな準備をしたいっていう。準備する前の休暇と、そこから準備に挑もうとする時の熱量を高めるためにも、そういった時間がほしい」としつつ、「でも、ありがたいんです。エキストラからこの仕事をやっていて、セリフがあるだけで、自分が主演作やれるだけでありがたいので。その自分と戦わなきゃなと思います。ありがたいだけじゃもうやっていけないところにまで、もしかしたら来たのかもしれない。でも、それは僕がそこに来られたんじゃなくて、支えてくれている人たちやファンの皆さんのおかげなので。だからこそ、本当にバランス取らなきゃなと思います」と真剣なまなざしを見せた。
じっくり準備してこれから挑みたいことについては、「これからの全作品そうですね。だけど、僕はやると思います。結果、どんな時間があろうがなろうがなかろうが、僕は全力でやっていると思います。そういう俳優なんだと思います」と毅然とした姿勢を見せた。
【ファンへのメッセージ】
最後に、「怪人」を手に取った人、そしてファンに向けて「ファンの人はもちろん、それだけじゃなく、たくさんの人に映画館に来てもらったり、ドラマでも作品のおもしろさを楽しんでもらったりっていうのがもちろんなんですけど。その前に、8年もファンの人たちに、恩返しとして何か形に残る、本みたいに手に取って読めるものを届けられていなかったなと思って。そういう人たちに向けた1冊です。無理難題を受け入れてくれた編集者の方の思いも受け取ってもらえたらいいなと思っています。いつも応援してくださっている皆さま、本当にありがとうございます」とメッセージを残し、会見を締めくくった。








