──そうした要素はありつつ、夢の場所へとか自分の気持ちを解放させる、人の気持ちを鼓舞させてあげるというのは裏テーマとしてありそうですね。
向井太一:そう感じていただけるとうれしいですね。僕は、日本語って聴き手の状況や感情によって聴こえ方が変わるのがすごく面白いなと思っているんです。そういうものを書きたいというのは、ベースのひとつにあります。
──あと、「MALIBU」はレゲエ、サーフ感がある楽曲です。
向井太一:最近、僕がハマってるのが土着性を感じるフロウだったりするんです。「MALIBU」は、相手に対しての愛や、相手からの愛とかを歌ったので、自分に対しての愛も必要だなって作りました。たまには肩の力を抜くと新しい場所とか先に進む力になるよって、そういう曲を真剣に言うよりも、普段の感じで言ってるような曲にしようと思いました。
──「HERO」は、そばにいる人への愛を歌った曲です。
向井太一:「僕にとっては兄ですね。うちが母子家庭だったんですけど、兄が6つ離れていて父親がわりだったんです。小さい頃から支えてくれてすごく影響も受けたし、いま音楽ができるのは兄のおかげなので、まさに僕にとってのヒーローだなって思ってます。
──「FURUSATO」は、メロウなサウンドで郷土愛を歌うナンバーです。
向井太一「僕の中で、昔聴いてた音楽を聴くのがトレンドになってて、このトラックのヒップホップ的なアプローチがいいなって思ったんです。歌詞が、自分の内面的なものや郷土愛をストレートに歌ってるので、あまりトリッキーなことをしたくないなというのがあってこの形になりました。
──「cuz of you」は、深い愛情についてを歌っていますね。
向井太一「いままでの僕の楽曲に、一番近い感じですね。これは、僕の恋愛観がストレートに入ってます。結構、恋愛至上主義なタイプで、結構悩む方なんですよ。相手に対しての感情にプラスして、切なさとか苦しさもあるじゃないですか。でもそれを乗り越えて、あなただからそれを耐えるんだっていう感じの曲です。
──なるほど。EPの全体的に、人間っぽさが出てますね。
向井太一:そうですね。いままではどちらかというとアンビエントとかデジタルの要素が強かったと思うんです。それと相反して、人間の生々しい部分とかもちゃんとストレートに書けるようになりたいなというのが作品を出すにつれて強くなっていったんです。今回は『LOVE』という、自分が一番大切に思ってるテーマだったので、特に意識して歌詞は書きました。
──いろんな形の音楽で表現してますが、気持ち的な部分でのソウルミュージックってことですね。
向井太一:そうですね。たぶん、そっちの方が自分の思いがリアルに伝わると思うんです。
