垣根を作らないことです。最近よく言われることとして、映画などは徐々にCGに切り替わってきているから、特殊メイクの技術は廃れていくというものがあって。それは一般的な考えだと思うのですが、僕はその考え自体が、デジタルとアナログの垣根があるから生まれきてしまうものだと思うんです。特殊メイクだけではなく、伝統工芸などといったアナログなものはどんどん衰退してしまっていると思うので、アナログとデジタルの融合というのが、一つのムーブメントになっていくといいなと思っています。
Q. 今後、挑戦してきたいことはありますか?
僕は個人の作品を7年前くらいに作り始めたのですが、そのタイミングでInstagramを始めたんです。そこではボディーペイントやフェイスペイントなどを公開していて、さらにはビューティーメイクなども勉強して取り入れるようにしました。だけどそこにも業界の垣根はあって、同じメイクでもビューティーメイクと特殊メイクって使う材料も何もかも全然違うんですよね。だから僕はその垣根を取り払うことで新しい表現を生もうと思い、ビューティーメイクも取り入れた作品を、どんどんInstagramで公開していったんです。その作品が海外の方に評価されてフォロワーが増えたりもしたので、今後はそういった作品を通して、アートを世界に広げていきたいと思っています。垣根をなくした新しいメイクの世界をアートに昇華させて、世界に発信していきたいです。
【プロフィール】
大阪府出身。フェイス&ボディペイント/特殊メイク&造形/映像/広告/イベント/ファッション等、幅広い分野にてデザイン&クリエイティブ制作、およびディレクションを担当。東京芸術大学卒業後、特殊メイクの道に入り、有限会社自由廊を設立。過去には「TVチャンピオン特殊メイク王選手権」で2連覇するなど、その技術は多方面から評価されている。現在では特殊メイク・造形制作にとどまらず、クリエイティブディレクターとしても多方面で活躍中。
