2021.02.03 公開
SKE48 松井珠理奈に聞いた「今日までのこと、これからのこと」。卒業シングル『恋落ちフラグ』リリース記念1万字インタビュー

松井珠理奈(C)WWSチャンネル編集部  画像 1/10

SKE48の27thシングル『恋落ちフラグ』が本日2月3日(水)にリリースされた。

本作は1期生として結成当初からグループを牽引してきた松井珠理奈の卒業シングルであり、SKE48初の全員参加のシングルでもある。カップリングには松井が作詞したソロ曲をはじめ、自身がプロデュースしたユニット・Black Pearlの楽曲も収録されており、卒業と未来、両側面の意味を持つ作品となっている。

インタビューでは、卒業発表から1年を迎える松井のこれまでのアイドル活動を振り返りながら、今後のSKE48について1期生から後輩メンバーへ託したい想い、願いについて語ってもらった。

 

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————珠理奈さんのアイドルデビューは『大声ダイヤモンド』からでした。AKB48メンバーの中での活動ということで、最初の頃はどんな感じでしたか?

松井珠理奈(以下、松井):最初はびっくりしてました。子供だったので事の重大さをよく分かっていなくて、目の前にあることをとにかくやらなきゃという気持ちでいっぱいでした。会う前までは「お姉さんばっかりで怖そうだな」って思ってドキドキしてましたね。実際に初めて会ってレッスンしてみると皆さん妹のように接してくれて、特に篠田麻里子さんは「一緒にお弁当食べよう!」って声もかけてくれました。最年長と最年少という関係でよく話しかけてくれて、サインも決まってない頃は一緒に考えてくれたりしました。

 

————そうしてアイドル活動をスタートさせて、2009年には最初の「選抜総選挙」を迎えますね。SKE48として参加するうえで緊張感などはありましたか?

松井:ありましたね。その頃はSKE48だからというのはなくて、AKB48のイベントだけど自分たちも参加しているから意識はしていました。アイドルの始まりが『大声ダイヤモンド』でセンターだったし、それなのに選抜に入れなかったらどうしようと不安にもなりましたね。でも、SKE48の中から一人でも多く入ってほしいという気持ちもありました。

 

————その当時のSKE48の雰囲気って覚えてますか?

松井:それほどピリピリはしていなかったと思います。まだ勝手が分からなかったので。もちろん順位が付けられるのは嫌だなっていう思いもありましたけどね。結成から間もない頃だったので厳しい戦いにはなるだろうと思ってたんですけど、19位でギリギリ選抜に選ばれてホッとしました。

 

————実際に名前が呼ばれた時はどうでしたか?



松井:当時はまずは選抜に入る事が一番の目標だったので、安心感が大きかったです。

 

 

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「(兼任発表で)みんなの愛をすごく感じました!」


————48グループが国民的な人気を得ていく中で、ある時AKB48との兼任が発表されましたね。SKE48にとってはライバルでもあったグループに籍を置くことで、活動に変化した部分はありましたか?

松井:あの当時はめちゃめちゃ忙しくて、兼任じゃなくてもAKB48の選抜や、もちろんSKE48の活動もあって、発表された瞬間は「これ以上忙しくなったらヤバイ!(笑)」と思いました。でも、発表のされ方がAKB48に移籍するみたいなニュアンスだったので、「SKE48で頑張ってきたのにどうして?」という疑問もステージでじわじわ湧いてきました。
それは違うってすぐ分かるんですけどね。その時に「珠理奈行かないで!」ってSKE48のメンバーが駆け寄って泣きついてくれて、めちゃめちゃびっくりしたんです。みんなどこかでライバルだと思っているし、センターに立ちたいって思ってるはずだから「私のことを思ってくれてたんだ!」って、そこでみんなの愛をすごく感じました!(発表があって)よかったかもって思いましたね。

兼任はチームKだったのが良かったです。憧れていた秋元才加さんや大島優子さんや佐江ちゃん(宮澤佐江)がいてくれて、SKE48のようにダンスがメインのチームだったので、SKE48である自分を変えなくてもいいのかなって自然と思えました。それに、SKE48では自分が一番先輩だけど、こうしてAKB48の先輩たちから学べることが嬉しくてワクワクしました。

 

————一種の留学みたいですね。


松井:本当にそうですね。公演に出始めた最初の頃は、空いているポジションが3列目の端だったんですよ。SKE48では前にいる事が多かったから、それまで見てこなかった景色や気持ちを味わったというか、ファンの方は自分がどこにいても見てくれているというのもよく分かりました。それですごく燃えましたね。(ポジションが前後で近かった)優子さんを見に来たファンの方が気になってくれるようなパフォーマンスをしなくちゃって燃えてました。本当にファンになってくれた方もいてすごく嬉しかったです。チームKもSKE48のようにパフォーマンスを見てくれるファンの方が多いので、一生懸命パフォーマンスを頑張ってるメンバーが好きっていう方が多くて、優しく受け入れてくれる方が多かったです。
逆にSKE48のファンの方がAKB48に行ってしまったことを悲しんでいたことが辛かったです。

 

————確かに衝撃は大きかったですね。当時は兼任という制度も浸透していませんでしたから。


松井:でも、私はSKE48のメンバーとしてチームKと兼任してるし、チームKのファンの方がSKE48のコンサートを見ようと思うきっかけになれたらと思って活動をしていたので、その想いを(SKE48のファンに)ちゃんと伝えられてなかったのは残念だったし、メンバーとの距離感も若干感じて寂しいなっていう思いもありましたね。
自分がAKB48で活動している間にSKE48でいろんなことが進んでいて、知らないこともあって後からびっくりすることも多くて・・・。

 

————あの頃はSKE48で見かけることがレア中のレアでしたから。では、AKB48にいたからこそ感じたSKE48の強みってどんなものがありましたか?


松井:そうですね。ダンスの激しさで言えば全く異なるし、雰囲気も全然違うじゃないですか。AKB48のステージでもSKE48に見られるようにダンスはしていたんですけど、両者の違いを出すべきなんだなとすごく思いましたね。
ファンの方の違いでいうと、AKB48のファンの方は自分の推しメンをメインに応援する方が多いので、声援の差がはっきりしているんです。だけど、SKE48のファンの方は“箱推し”の方が多いから、どのメンバーでも名前を呼んでくれるので、それを知ったとき恵まれてるんだなって実感しました。暖かく応援してくれるファンの方に感謝しなくちゃいけないし、逆に甘えすぎてもいけないなって思いました。

 

————それはどうしてですか?

松井:その空気感に安心しちゃいけないし、甘えてしまうと現状に満足してしまうじゃないですか。そうじゃなくて、もっともっと上を目指していかないといけないとも思ったんです。

 

 

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「専任になってすごく意見を言いやすくなった」


 

————なるほど。それから約4年半の兼任活動を終えてSKE48に戻ってきました。この頃から後輩メンバーの育成に力を入れるようになりましたね。



松井:あの頃は玲奈ちゃん(松井玲奈)の卒業のショックが大きすぎて、心ここにあらずという感じだったんです。でも、周りを見てみると後輩メンバーの成長を感じる場面があったり、メンバーの卒業もどんどん重なっていく中で、SKE48をもっと強化しなくちゃいけないという思いを持つようになりました。それに専任になってすごく意見を言いやすくなったというのもありますね。SKE48もAKB48も好きだけど、「結局どっちなの?」って思われていたところを、初めからいて、地元で、ここが一番好きだよっていう気持ちを行動でアピールすることができたからこそ、言えるようになった感じですね。

 

————7D2のレッスン場に通っていたという話をよく耳にしました。

松井:そうですね。1期生からしばらくはアンナ先生がダンスを見てくれていたんですけど、厳しいって思われる人がいないと締まらないなって思って、新しいメンバーが入ったら見に行って意見を言うことが習慣になりました。(先輩が)いるだけでドキッとするだろうし、そういう存在になろうと思って。

 

————当時の研究生たちの反応はどうでしたか?



松井:それこそSKE48が好きで入ってくる子たちもいたので、「あっ!珠理奈さんだ!」って笑顔になる子も多かったですね。泣いちゃう子もいましたね。だから(ダンスを)ファンの方たちに見られるより緊張してたと思います、きっと(笑)

 

————グループ全体に対しても意見を言う姿も目立ってきましたね。

松井:以前もちょいちょい言ってはいたんですけど、若かったので。年齢も経験も重ねていって徐々に言えるようになっていったのかな。後輩だけど年上のメンバーが多かったので、言いづらいなって思うこともあったりして、不思議な感覚でした。中西(優香)とか姉さん(佐藤実絵子)が卒業していったタイミングで、自分たちが残された1期生として去っていったメンバーの思いを継承していかなくちゃいけないんだという思いも強くありました。

 

 

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「(プロレスは)活力であり、元気の源です」

 

————なるほど。そして何と言ってもこの頃の珠理奈さんは「豆腐プロレス」をきっかけにプロレスに目覚めていきました。ハマったきっかけとして、これまでのアイドル活動と通ずるものがあったんですか?

松井:それはあると思います。アイドルって可愛くて、キラキラしていて、笑顔で楽しそうなイメージがあると思うんですけど、実際にやってみると大変なこともたくさんあって、落ち込んだり辞めたいって思うこともあります。でも、そんな時だからこそ立ち上がらなきゃいけないじゃないですか。待っててくれるファンの方がいるから。プロレスだと、戦って何度も倒されて、もう無理だろうと思っても、また立ち上がって戦う姿は感動するし、自分もちょっとしたことでへこたれてはいけないと思わせてくれたんです。
私自身がアイドルとして活動する上で、ファンの方を元気づけたい気持ちを大事にしてきたので、その気持ちをプロレスから自分がもらったというのが大きいです。学ぶことがあるなって思ったのはその瞬間ですね。自分にとっては活力であり、元気の源です。

 

————ファンの方の気持ちをプロレスを通して知ったということですね。

松井:そうです。応援する楽しさを知ったり、応援してもらえるありがたみがすごくよく分かりました。(ドラマでやって)体が痛かったけどやってみて本当に良かったなって思います。

 

————ドラマの中でも目を覆いたくなるような激闘のシーンも多々ありましたね。

松井:でも、オファーを受けた時はハマり役になるんじゃないかなって思いました。もともと陸上をやっていてスポーツは好きだったので。それから父がめちゃくちゃプロレス好きだったんですよ。小さい頃一緒に試合を観てたし、父にプロレス技をかけてもらったりしたこともあって、役をやることで父も喜んでくれるかもって思ってもありました。(引き受ける上で)決め手になったかもしれないですね。しかも一番強い役だったから、最初からうまくなきゃいけない役だったんですよ。だから、みんなより練習時間を多めにとったり・・・。大変でしたけど、やるからには自分にしかできないだろうって思って頑張りました。

 

————でも、その気迫が役に憑依してましたね。

松井:プロレスだけに関わらず、やらせていだたくお仕事一つひとつをとっても、嘘をつくのは嫌いだから芯から好きになりたいんです。その分野が好きな方たちが見ても、認めてもらえるようになりたい。自分が体験して感じたことを伝えたいから。

 

 

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「10周年で卒業しようと思ってたんです」


————さて、卒業発表からそろそろ一年が経ちますが、自分の中で卒業するという気持ちはいつ頃から固まっていきましたか?

松井:本当は結成10周年で卒業しようと思ってたんですよ。高橋みなみさんや佐江ちゃんも区切りのいい10周年で卒業していたので。10年って自分でもやり切ったって思えるタイミングでもあるかなと思っていたので、そういう気持ちはありました。でも、2017年に真那(大矢真那)が卒業して、それから時間も経っていないし、最年少で入った分、後輩にいろんなことを伝えていかなきゃいけないという使命もあると思ったんです。ちょうど2018年の総選挙の後にお休みをもらってから時間を使ってゆっくり考えて、自分がいなくてもSKE48は続いていくのを見た時に、私がいなくても大丈夫だなって思えたんです。切なさはありましたが、私がいない分みんなが一丸となってる姿がいいなと思って。その時にもう少ししたら卒業しようって思ったんです。


————休養中、SKE48の情報は仕入れていたんですか?

松井:湯浅さん(当時の劇場支配人)からちょくちょく報告をいただいていました。ちょうど「美浜海遊祭」の最後に2期生と3期生がステージに残って私の話をしてくれて、ファンの方が珠理奈コールをしてくれている様子が動画で送られてきたんです。それを見て「帰る場所があるんだ」って思えてすごく嬉しかったです。卒業は考えていたけど、その時までSKE48としてやれることをしっかりやっていきたいと思いました。もうひと頑張りしてから卒業しようって。


————では、昨年の卒業発表は自分の役目を果たしたという思いがあってのことだったんですね。

松井:そうですね。後継者という訳ではないですけど、自分の気持ちを託せる子が何人もできたなって実感したからですね。自分がいなくてもその気持ちは残っていくと思うので、役目は果たせたのかなって思えました。

 

 

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「(鈴木恋奈は)とにかく変人。全てが変わってて面白い」


————なるほど。では、珠理奈さんが見てきた後輩メンバーで、このジャンルは任せられるというメンバーについて伺っていきたいです。グループの代名詞である「ダンス」はいかがですか?




松井:野村実代ちゃんと青海ひな乃ちゃんですね。この2人はバランスが良くて、踊り方も綺麗で、カッコいい曲がすごく似合うんです。アイドルらしくない曲も向いてるなって。特に実代ちゃんは名古屋で仕事があった時にS公演をモニター越しで見る機会があったんです。『Escape』のダンスシーンで一人めちゃくちゃ上手い子がいて、誰だろうなって思ったらみよまる(野村実代)だったんです!成長が著しいメンバーの一人で、「Black Pearl」の中でもダンス担当をしてもらってます。

あとは山内鈴蘭ですね。表現力があるので何を踊ってもエロくなるっていう(笑)。以前、メンバー毎にソロでパフォーマンスをするコンサートがあったんですけど、その時の鈴蘭がセクシーな衣装で可愛く踊っていて生き生きしていたんです。歌も上手いし、ダンスも上手いし、顔も可愛いし、もっと“エロかわ”を追求した方がいいってずっと言ってます。

それから、「釣り師」になる素質があると思ったのは平野百菜ちゃんですね。

 

————意外でした!その素養に気付くきっかけはありましたか?

松井:かなりの釣り師だと思いますよ。握手会のレーンがたまたま一緒で隣同士だったんですよ。若いと大人の方と話すのって緊張しちゃう子も多いと思うんですけど、楽しそうに話していて、ファンの方たちニヤニヤのデレデレでした。これから伸びるなって思ったんです。
あとは鈴木恋奈さんもですね。以前、一緒に番組に出演したんですけど、もうとにかく変人。全てが変わってて面白い。昇格発表の時の変な動きからずっと気になっていたんです。それで一緒にペアになって街を歩くロケをしたんですけど、先輩に遠慮せずに自分らしさを出せる子だとロケで分かったんです。多分ですけど、井上瑠夏と組ませて街ブラさせたらカオスさが増して面白いことが起きそう!


————脱線したら修正できるメンバーも欲しいですね(笑)。「歌」の面ではいかがですか?

松井:杉ちゃん(杉山愛佳)です!公演で『Innocence』を歌ってるんですけど、大人っぽい声も出せてて上手い。江籠ちゃん(江籠裕奈)は音も外さず安定していて声も可愛いです。あと、谷(谷真理佳)は本当に上手いと思います。色っぽい声も出せるし、可愛い声も出せるし、いろんな声を持ってるなって思います。10期生の林美澪ちゃんの歌声も好きです。「SHOWROOM」を結構見るんですけど、歌ってたら声が大人っぽくて、かっこいい声が出せてて驚きました。


————「SHOWROOM」上でソロ公演を配信していますよね。本人にアドバイスされたことはありますか?




松井:「SHOWROOM」上でコメントしたことがあります。見てるときにファンの方から「アドバイスお願いします」って促されて。その時は、自分でフリ起こしをして覚えたのはすごいけど、もうちょっと丁寧に踊ることを意識するともっと良くなるってアドバイスをしました。私もそうだったんですけど、小学生の頃ってがむしゃらに踊るから、それが良さではあるんですけど、大人のメンバーと並んだときに粗が見えてしまうので、指先まで意識するようにやるともっと綺麗なダンスに見えるよって。「的確ですね」ってファンの方も喜んでくれたみたいでした。今回は「Black Pearl」でも一緒だったのでより細かく教えました。

 

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「いつかWセンターをやってほしいと個人的に思っていた」


————その「Black Pearl」ですが、今回のシングルに収録された期待のユニットですよね!珠理奈さんがプロデュースに携わっていると聞きました。

松井:そうです!メンバーに関してもいつも近くで見ているので、スタッフさんたちと相談しながら決めました。魅力的な子がいっぱいいるので、たくさんのメンバーと一緒にやりたい気持ちで溢れてるんですけど、一人ひとりフィーチャーするのであれば9人がちょうどいいということで悩みに悩んで絞った形です。


————私見ですがラブ・クレッシェンドとは違い、今回は珠理奈さんが一歩下がり、江籠裕奈さんと熊崎晴香さんによるWセンターとしたことに珠理奈さんなりの考えはあるんでしょうか?




松井:それこそ私がいなくてもいいと思ってたんです。未来のメンバーだけを集めたユニットもいいかなと考えてたんですけど、最後のシングルということで、しっかり後輩に背中を見せたいというのもあったので一緒に参加することになりました。江籠ちゃんは本当に真面目で、昔から変わらず周りに左右されないところがいいなと思っていて。可愛くてふんわりしているけど芯は強い、そこがずっとブレなくて素敵だなって思います。悔しい思いもいっぱい経験していると思うけど、折れずに諦めずに小さい頃からここまで頑張ってきた姿が私は好きです。

くまちゃん(熊崎晴香)に関してはメンバー目線なんですけど、リハーサルの時に絶対に手を抜かずにいつも一生懸命なんです。体を痛めてる時も無理して踊っちゃうところとか、SKE48らしさを感じる場面ですよね。グループの持つ明るさにぴったりで。だけど、喋ると実は滑舌が悪くて、面白くてツッコミどころもあって、後輩の中で一番SKE48っぽいなって思うんです。だから、2人が並んだ時のバランスや、シンメトリーで踊ってる時の姿とかがすごく良くて、いつかWセンターをやってほしいと個人的に思っていたので、ここで実現してもらいました。

 

————個人的には水野愛理さんもユニットに加わっていて、「遂に来た!」と唸る部分でもありました。

松井:愛理も苦労してると思うんです。最初、ドラフト会議で入った時、人気でグループ間で取り合いになったじゃないですか。そのプレッシャーって絶対大きかっただろうし、注目されているから頑張らなくちゃって思っていた側面もあると思います。その中で、自分なりの方法で目立ちたいともがいていたところもあると思うんです。そんな中で物販コーナーに行って、ファンの方たちにグッズを売ることが話題になったじゃないですか。その姿を目の当たりにした時に、自発的にファンの方を楽しませたり、グループを盛り上げようと動いている姿が評価されるべきだって思ったんです。選抜にも入ってほしいとずっと思っていたんですよ。
なので、メンバーに加えさせていただきました。


————珠理奈さんの想いが溢れてますね。

松井:本当に他のメンバーも入れたい気持ちはもちろんあります!だけど、みんな努力してるのは一緒だから、他の人とは違う努力をしている、違う場所や方法で目立とうと頑張っている子が選ばれたっていう感じですね。

 

 

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「ソロ曲はちゃんと卒業を意識して」

————では、ソロ曲『Memories ~いつの日か会えるまで~』についてですが、非常にエモい仕上がりのMVですね。


松井:『恋落ちフラグ』は明るい恋愛の曲で良い意味で卒業の感じがしないので、ソロ曲はちゃんと卒業を意識して、しんみりさせたいなと思って仕上げました。やっぱりファンの方それぞれ好きになってくれたタイミングって違うじゃないですか。MVを見て思い出してもらえるように、過去のMV映像をプロジェクションマッピングで映して歴史を辿る形にしています。昔から応援してくれている方や、最近好きになってくれた方にも振り返って思い出してもらえたらなって思ってます。

 

————私見ですが落ちサビの映像は涙腺崩壊です。

松井:本当ですか(笑)!ファンの方それぞれの視点で見方が変わってくるMVだと思うので、SKE48に対する思い出を乗せながら見てほしいなって思います。あと、作詞もさせていただいたのですが、『大声ダイヤモンド』のMVで階段を駆け上がるシーンをイメージしてもらえるような歌詞や、SKE48のことを歌っている部分もあるので、ファンの方が聴いて共感してもらえたら嬉しいです。

 

————作詞をしていて特に感情を込めている箇所ってありますか?

松井:そうですね。2番のAメロからですね。『SKE48に関わってくれたみんなの支えがあったから、今の私があるよ。ここまでの道のりをあなたも見てきたでしょ?』って投げかけているところかな?
やっぱり「サヨナラ」って言葉が一番切ないと思うんですよ。でも、『いつの日か会えるまで』って歌詞の中で言ってるので、『本当のサヨナラではないよ』っていう意味も含んではあります。私は卒業してメンバーではなくなりますが、違う形でSKE48を見守っていきたいと思ってます。

 

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「隠れミッキーを探す感覚で楽しめると思います」


————ありがとうございます。では最後になってしまいますが『恋落ちフラグ』についてもぜひお聞きしたいです。「全員参加」だからこそのダンスパフォーマンスは圧巻でした。

松井:チーム分けができるって全員参加ならではですよね。振り付けもかっこいいパターンからセクシー、可愛い、元気系といろいろあるんです。一曲でSKE48のいろんな一面を見られるMVになってるなって思いました。これまでのMVやコンサートでの衣装をメンバーがそれぞれ着てるんですけど、私は『Escape』の衣装で真那ちゃんのものを着ています。そして、私の衣装をどんちゃん(福士奈央)が着てます!

 

————SKE48ファンならめちゃくちゃエモいポイントですね!

松井:ここは見どころですよ。あと個人的なポイントなんですけど、須田(須田亜香里)ちゃんがセンターのチームがあって、中には惣田紗莉渚ちゃんもいるんですけど、ターンや脚を思いっきり上げた2人の柔軟な体を活かした振り付けが見どころです。あと、2人はなんとなく似た者同士だから、ファンの方もそうだけど本人たちも意識し合ってるんですよ。その雰囲気が出たらいいなって思ったので、振付の最後でバチバチな感じになるように振付の先生にお願いしました(笑)

 

————探したらキリがないぐらいの小ネタですね。

松井:いっぱい散りばめられてます。隠れミッキーを探す感覚で楽しめると思います。

 

————セントレア(中部国際空港)でも撮影されてるのもエモいですが、ナゴヤドーム(現バンテリンドーム ナゴヤ)でのダンスシーンは圧巻でした!

松井:嬉しかったです!ナゴヤドームにSKE48単独で立ちたいという夢は叶いました(2014年に単独コンサート開催)が、あの当時のメンバーってほとんどいないじゃないですか。ナゴヤドームに立ったことのないメンバーが多い今のメンバーで、歌って踊れたことがすごく嬉しかったです。


————この時の撮影現場の雰囲気っていかがでしたか?

松井:振り入れの時点からすごく気合が入ってました。「一緒に歌えるのが嬉しいです!」って言ってくれる子がすごく多くて、撮影前日もLINEを送ってくれて、一つにまとまってる感じがしました。久しぶりに「これこそSKE48だな」って肌身で感じましたね。これから新しいスタートを切るよっていう感じが出ているから、SKE48の未来に期待できるような内容になってると思います。

 

————ありがとうございます。それでは最後に、今後のSKE48を担う後輩メンバーへ珠理奈さんからッセージをお願いします。

松井:昔が良かったとか、そうした意見にとらわれずに今を生きてほしい。新しいことにどんどんチャレンジする姿を見せて、ファンの方たちにパワーを与えてほしいです。「チャレンジし続ける、進化し続けるSKE48」であってほしいと思います。

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