青春をストレートに歌った楽曲で、若者を中心に支持されている3ピースバンド・saji。
出会いと別れをテーマにしたニューアルバム『ハロー、エイプリル』の魅力に迫ります。
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―今回のアルバムタイトルにもなっている「エイプリル」は、皆さんにとってどのような月ですか?
ユタニ:僕は誕生日が4月27日なので、エイプリルは誕生日の月です!
ヨシダ:僕は学生の皆さんと同じで新生活が始まる月ですね。僕、年度ごとにその年の目標を書いていて。日本人特有かもしれないけれど、4月ってやっぱり節目の月だと思うんです。だから引っ越しとか、目標を立てたりするのは4月のタイミングでやることが多いです。
ヤマザキ:僕は花粉症ですね。鼻がグジュグジュしてきて一年が始まったなという感じがします。
―アルバムの表題曲にもなっている『シュガーオレンジ』はどのような想いから作られたのですか?
ヨシダ:この曲実は最初は歌詞が違ったんです。僕の実体験をベースに曲を書こうと思って、もちろんそのベースは残っているのですが、20代の僕が書いた詞は舞台が一人暮らしの家だったり、中高生がこの曲を聴いたとしたら分かりづらいだろうなと思って。そこで中高生にも届くようなワードに変えた上で、等身大のラブバラードを書きたいなと思い、歌詞を変えました。以前、“本当に恋をしている時は恋愛の歌を書けない”と言っている方がいたんですけど、僕はむしろ恋愛している時の方が書きたくなるタイプで。薄れてから書いたら美化しちゃうんですよね。この曲の主人公なんてフラれきっていますからね。曲の冒頭に“大丈夫だよ”っていう歌詞があるんですけど、“大丈夫だよ”って言うやつは大丈夫じゃないんですよ(笑)。最後の“全部、全部、ぜんぶ 嘘だよ”っていう歌詞も、嘘じゃないけど強がりでそういうふうに言っておかないとっていう自分の意地だし。最後は“さよなら”で締めているんですけど、自分の心の中でこの子にお別れを告げてしまったら本当に会えなくなるっていうのが分かっていたから怖くて最後まで言いたくなかったんですよね。そういう女々しさとかがそのまま出て欲しいなと思って、歌詞を変えていった感じです。
―今回収録される楽曲は、前から腕を引っ張る、後ろから背中を押すというよりも、リスナーの隣に寄り添うというイメージを持ったのですが、そういった部分のイメージは持たれて制作されたりしたのでしょうか?
ヨシダ:これはもう僕自身もバンドも含め、昔から一貫してそういう歌しか書きません。“頑張れよ”って言葉、僕すごい嫌いなんです。すごく突き放しているじゃないですか。“頑張ろうぜ”って言われた方が良い。これは僕の中で思っている話なんですけど、例えば学生時代に部活とかで“2人1組作れ”とかって顧問の先生が何の気なしに言うじゃないですか。あれって結構残酷で。仲が良いやつらで勝手に組んで、あぶれた人たちって肩身が狭くなるんですよ。だけどそう言う時に誰かが言ってくれる「やろうよ」っていう言葉ってめちゃくちゃ救いだと思うんです。そういう人がそばにいてくれるとどれだけ力強いか。これって部活に限らず人生においてもそうだと思うんですよね。そうやって声を掛けてくれる人が僕はすごく好きだし、それで救われたことも何回もあるから、歌の中ではそういった意味合いのことを一貫して言っていますね。僕のマインドとして根底にあるものだと思います。
