──ちなみに役名はあるんでしょうか?
高柳「私はずっと“明音”って呼ばれていました。みなさん本名で演じています。高岡さんが現場入りする時に「高岡入りまーす!」って大声で言ったり、堤監督も“監督”として出演されているので、ドラマのシーン以外は基本的に即興でした。
──今までの現場で見てきた光景とか活かされたものはありますか?
高柳「カメラマンさん、衣裳さん、メイクさんなど、アシスタントの方が付いている時があるじゃないですか。演じる時に『あっ、このポジションだって』思いましたね。実際の撮影現場にも音響さんの卵のような方がいらしてたんですけど、言われる事が私と被ってるなって思いました。今までの現場でも、カメラマンさんに怒られているアシスタントの方の姿を見ながら「頑張って、私ぜんぜん待つから!」って思って見てきたので、あんな感じだなって(笑)」
──業界の方は共感しそうですね。
高柳「みなさん口を揃えて『こういう子いるわー』って言っていたので、私も『見てきたわー』って(笑)」
──さて、将来は女優さんの方向で考えているんですよね?
高柳「お芝居をしていきたいです。SKE48で経験して学んだことは数知れなくて、お芝居もそうですし、歌もすごく好きになったし、『歌唱力決定戦』も2回連続で決勝戦まで行けて、私の歌を好きだって言ってくれる方も増えて嬉しい事もたくさんありました。でも、歌は表現するものとして歌いたいと思っているので。ミュージカルとか、いつか主演をできるようになった時に挿入歌を歌ってみたいという気持ちはあります。話す事も好きなので、今やっているラジオも続けていきたいと思ってます。バラエティもタレントではなくて、番組の宣伝でお邪魔できるようになりたいです。でも、自分の可能性を切り捨てていきたくはないので、お話をもらったらできる事はどんどんやっていきたいですね」
──卒業後もエイベックスに所属されるんですか?
高柳「そうですね。エイベックスの女優さんとお仕事した事は全くなかったので、一から自分を知ってもらう努力が必要ですね。でも、女優として色々な役に挑戦できることを楽しみにしてます」
──改めてソロ曲『青春の宝石』はどんな楽曲ですか?
高柳「まず、この曲の視点は“今”よりも卒業する時に振り返った時の視点だと思うんです。1番のAメロは過去の話をしていて、Bメロで今になり、サビで集大成のような感じになってるんですけど、『懐かしい時代を 夢に向かってがむしゃらだった自分 頑張ったね 褒めてあげたいよ』という歌詞は、春に卒業する瞬間に自分にそう思ってあげられたらいいなという思いで歌ってます。この曲に見合う自分でありたいなって思いますね」
──歌詞を読んでいくだけで涙腺が崩壊しそうですが、歌詞の中で好きなフレーズはありますか?
高柳「2番の歌詞に『つらかったことも 悔しかったことも もう遠い出来事 誰にも言えなかった悲しみの理由 乗り越え 強くなった』というところです。確かに自分が感じている事だし、誰にも言えなかったことも本当で、自分の悩みは誰にも話さなかったのですが、秋元先生に見透かされてたんですね。この歌は秋元先生が私のことを思って書いてくれたって聞いて、いろいろとリンクするところもあってすごいなって思います。私の一番好きな歌詞は『大切なこととは自分の好きな毎日を生きる事』です。これは、この数年で思った事で、自分を活かせるのは自分だし、楽しくさせるのも自分で、誰かが楽しませてくれるのを待つんじゃなくて、自分が楽しむ努力をする事は大切な事だと感じていたので」
──「今が一番楽しい」とたくさん発言してましたね。誕生日に投稿したツイッターの言葉も印象的でした。
高柳「昔に比べたら悩んでもダメだったところの改善点を導けるようになったのはSKE48に入ってからなので、常に今がベストな人生を送っていきたいと思っています。今辛かったとしても未来の自分が晴らしてくれるって信じてるので、その前向きさで頑張れています。どんなにポジションが下がっても、諦めずにファンのみんなが応援してくれるから前に行く姿を見せられたり、総選挙の時も私以上に信じてくれたみんながいたからもう一度前を向けました。これからはアイドルではないので、今までよりはみんなと戦いながら成長していくんじゃなくて、自分次第になっていくので。その中でみんなに喜んでもらいたいという気持ちは原動力のまま変わらないから、頑張っていきたいなって思ってます」
──アイドルを卒業した後、ファンの方にはどんな風に自分を見てほしいですか?
高柳「全員が言っているとは限らないんですけど、この歳までSKE48をやってきた事をすごく喜んでくれているんです。『できる事なら続けてて欲しかった』と言ってくれるけど、『明音ちゃんが決めた道だから、僕たち、私たちは寂しいけど応援してるよ。明音ちゃんの幸せを願っているよ』って言ってくれるので、そんな姿をこれからも見せていけたらと思います。私自身も、私に会いに来てくれたり、応援するためにかけてくれた時間だったり、気持ちだったり、私はみんなの人生をもらって生きていると思っているので、私が幸せになるときにはみんなも幸せであってほしいと伝えています。幸せの形はそれぞれだと思うので」
──とてもいい関係ですね。
高柳「卒業発表してから会いに来てくれる方もいて、『新曲も出るので改めて会いに行こうと思います』というリプライも頂いているので、会える事をすごく楽しみにしてます」