しかしTPDは果敢にも“この時点ではまだCDリリースされていない最新曲”をアニバーサリー・ライブの冒頭に持ってきた。6人のために作られた、できたての歌。これをしっとりと歌い踊り、2014年6月リリースの1stシングル「BRAND NEW STORY」へ続ける。最新曲のあとに“初心”というべきデビュー曲をおき、それを同じ鮮度で届けることのできるグループはなかなかいるものではない。
そしてTPDが結成から現在まで、いかに良質の楽曲に恵まれてきたかを改めて思い知らせてくれた。7thシングル収録曲の「Kiss x Bang Bang!」と、6thシングル「TRICK U」収録曲「Honey! Come Come!」は、活発な彼女と内気な彼氏の、ちょっとファニーな物語。2曲続けて聴くことで、よりストーリーの連続性が浮かび上がる。結成初期から歌われてきた名曲「DREAMIN’」では途中からセンターステージに出て、熱唱を繰り広げた。
次は各メンバーをフィーチャーしたコーナーだ。リーダー・高嶋菜七が歌ったのはアメリカ・ポップ界を代表するスター(第58回グラミー賞では3部門に輝く)、テイラー・スウィフトが2008年にリリースした大ヒット曲「Love Story」。高嶋はTPDに入る時のオーディションでこの曲を歌ったという。
いわば彼女にとってのプロ歌手活動の原点ともいえるナンバーなのだ。それをいま、今度は審査員ではなくファンに向けて届ける。“あなたはプリンスで私はプリンセス。私だけに、ただイエスと言って”・・・もちろん抜群のディクションを生かした全編英語による歌唱。まるで彼女自身の心に言い聞かせるように、そしてTPD全体へのメッセージのように力強く放たれる“don't be afraid”というフレーズが印象に残った。











