さらに、「私は正直、乃木坂46に訪れる、年末にある幸せな発表を聞いたとき、素直に嬉しいという感情が出てくるのは少し難しかったです。この結果をいただく前に、何かグループに貢献できたのだろうかと考えてしまっていて。それがすごく悔しかったです。なので、私は結果をいただいたときに『素直に自分は頑張ったんだ』と認めて受け止められる、そんな人間になっていきたいです。そして、乃木坂46にこの子がいてよかったと思ってもらえる、そんな人になりたいです」と本音を吐露。最後に「続いての曲に私たちの集大成を見せます。そして、私の全部をぶつけます。見ていてください!」と覚悟を決めて、「純粋とは何か?」を力強く歌い上げながら、すべの感情を解放させてライブ本編を笑顔で終えた。
全身全霊のステージ本編を終えたあとは、「Am I loving?」にてアンコールを開始。続く「僕だけの光」とともに、客席に向けたファンサービスを交えながら、幸福感満載のパフォーマンスを届けてくれた。そして、岩本や田村がライブに対するそれぞれの思いを、涙を浮かべながら伝えたあとに、ライブの締めくくりとして「乃木坂の詩」をファンに送り、3日間におよぶアンダーライブ武道館公演を完遂した。
これが最後のライブとなった松尾が「最後のライブっていうこと以上に、ひとつのライブとして今回は構成や披露する曲、全部が楽しくて。この場所に最後に立てて幸せでした」と口にし、五百城に向けて「頑張ったね」と伝えると、五百城が感涙。すると、隣の松尾と矢久保が寄り添い、そのまま全員が彼女のもとに駆けつける場面も。また、矢久保は「最後のライブが私の大好きなアンダーライブで、それがとても嬉しかったです。先輩からつないできた魂をぶつけてきたアンダーライブを、みんなに託します。これからもアンダーライブを好きでいてください」とファンやメンバーに語りかける。そして、最後に五百城が「2026年の乃木坂46にも期待していてください!」と宣言して、ステージをあとにした。
予定していた演目はこれでにて完了したものの、アンコールを求める声援は鳴り止むことはなく、これに応えるようにステージに再登場したメンバーは「私たちの思いはすべてライブにぶつけたので、挨拶だけさせてください!」と、肉声で挨拶をして3日間のステージを完結させた。
これまでの歴史を大切に守りながら、常に最高を更新し続けるアンダーライブ。この公演で2025年のライブ活動を最良の形で締め括った乃木坂46。12月30日は「第67回日本レコード大賞」、大晦日に控えた「第76回NHK紅白歌合戦」へ向けてこれからも走り続け、2026年も1月14日リリースのニューアルバム「My respect」から華々しい幕開けを飾ることになる。
(文/西廣智一)






