そして、⼩⽥桐ななさが「同じ時代に生まれて、君に出会えて本当に幸せ。みんなのことが大好きだよ」と語ると、「遠キョリ。だって本気」へ。直前まで緊張感のある楽曲が続いていたこともあり、会場はそんな緊張感から解放された様子に。しかし、ファンの声援とコールにはさらに力が入っていく。続いて、メジャー1stシングルより「それは好きってこと」を披露。「終わりがあるから今が美しい」、「全力で輝く命であれ」といった歌詞が美しく鳴り響き、ライブはもう終盤戦に向かっていることを感じさせると、最後のMCは⼟屋玲実が担当。「これまでも、これからも精⼀杯の決意と覚悟を持って歌い続けます。君の⼼臓を掴んで揺らせる最高のパフォーマンスをお届けします。最後の一瞬まで私達の全力の思いを君の心に刻ませてください」と熱く語り、ラストの1曲「最後のスピーチ」へ。今年5月に全国ツアーファイナルの横浜公演で初披露された楽曲だが、既に多くのファンの心を揺さぶるライブ人気曲になっている。最後の力を振り絞るようなメンバーの全身全霊のパフォーマンスに、ファンも全力のコールで応えていく。まさに可憐なアイボリーとファンとの魂のぶつかり合いが見られるような曲へと成長。この楽曲でライブ本編は終了した。
本編の余韻に浸る間もなく、盛大なカレアイコールが沸き起こると、熱いアンコールを受けて、Tシャツとスカート姿のメンバーが再びステージに登場。12人体制の原点とも言える「少女たちとアイボリー」でアンコールはスタートし、さらに、メンバー同士の絆やファンとの絆を感じさせる「チームメイト」へと続く。最後に12人が並んで手を繋いだシーンでグッときたファンも多かったことだろう。紆余曲折を経て、5年目の船出に辿り着いた可憐なアイボリー。この12人のメンバー一人ひとりのこれまでの軌跡を証明するようなパフォーマンスとなっていた。
アンコールのMCパートでは様々な告知が。来年1月14日(水)にメジャー2ndシングル「消えない」をリリースすること、今回初披露した4周年楽曲「愛の国と星のダンス」が10月15日(水)に配信リリースされること、10月19日(土)からスタートする全国ライブのタイトルが「可憐なアイボリー 2ndSGリリース記念全国ライブ ~消えない~」に決まったことなどが発表された。そして、ファンとの写真撮影とTikTok撮影が行われると、アンコール最後の1曲、寺本による「5年⽬も共に戦ってください」という煽りから「いつだって戦ってる」へ。最後の「飛び立て 主役だ」という歌詞が会場に響き渡る中、大きな拍手と歓声に包まれて4周年ライブは幕を閉じた。
実に全22曲をパフォーマンスした可憐なアイボリー4周年ワンマンライブ。初期の頃に披露していたHoneyWorks代表曲のカバーやメジャーデビュー後のオリジナル曲、新旧のライブ定番の人気曲や初披露の新曲など、可憐なアイボリーのこれまでとこれからが詰まった集大成のようなセットリストに演技を融合させたことで、没入感をより高めたようなライブになっており、可憐なアイボリーの新たな可能性を感じさせてくれた。
メンバーが12人いると、リーダーやセンター的なポジションが注目されがちだが、今回のライブでは曲ごとに異なるメンバーが煽りや語り、曲紹介などを担当。メンバー全員が可憐なアイボリーの主役であることを示すとともに、12人で4周年を迎えられた喜びをファンと共に分かち合うようなライブにもなっていた。誰が主役だったとしても、感情にダイレクトに訴えかけてくる、心臓を掴んで揺らす全身全霊のパフォーマンスは変わらない。そして、そんな可憐なアイボリーのパフォーマンスに全力で応えていくファンのコールやクラップ、メンバーに向けられた愛と熱量も可憐なアイボリーのライブを作り上げる重要な要素となっている。5年目に突入してメンバーの個をさらに強め、ファンとの絆を深めた可憐なアイボリー。アイドルでよかったと笑顔で語りながら、時に小悪魔なかわいい顔も見せ、自分達の武器を持ってライバルとも向き合い、チームメイトといつだって戦っている12人の成長とグループとしての更なる飛躍に期待してこれからも見守っていきたい。
