アンコールを待つ間、天使に扮した一ノ瀬と悪魔に扮した川﨑がオーディエンスと一緒に再び会場の一体感を高めると、「チートデイ」にてアンコールがスタートする。この曲や続く「他人のそら似」では一部メンバーはトロッコに乗ってアリーナを回遊したり、スタンド席通路をフロートで移動したり見切れ席やステージバック席付近にサプライズで登場したりと、ファンとコミュニケーションを図る場面も用意。そして、4期生楽曲「ジャンピングジョーカーフラッシュ」にてメンバー全員が全力のパフォーマンスを届け、会場の熱気は再び沸点へと到達する。
最後のMCでは6期生の瀬戸口が「6期生として初めてツアーに参加したこの夏は本当に楽しくて。2曲目の6期生楽曲を披露できたり、誕生日をツアーで迎えたりと、私にとって忘れられない夏になりました。また必ずここに帰ってきたいし、そのときは今日よりももっと大きい自分になっていたいです」、4期生の遠藤が「『私ってここにきてよかったのかな?』と思っちゃうときがあるじゃないですか。でも、よかったんですね、ここに来て。ここに立っていることに意味があって、全員必要だと思わせてくれる10回目の神宮ライブになったなと思いました」と挨拶。そして梅澤が、全力を出し切って声を枯らしている賀喜に労いの言葉を送り抱擁を交わすと、再び会場上空でドローンが乃木坂46のロゴを描く中で「乃木坂の詩」を披露して、会場全体が乃木坂46カラーの紫で染まる中、ライブはエンディングを迎えた。
乃木坂46「真夏の全国ツアー2025 ツアーファイナル」(C)鈴木健太(KENTA Inc.) 画像 6/51
ライブはこれで終了するはずだったが、会場の明かりがついてもアンコールを求める声援はどんどん大きくなっていく。すると、メンバーが再登場して予定外の「君に叱られた」をファンにプレゼント。夏の終わりを惜しみつつ、メンバーとファンが互いに笑顔を送り合いながらこの特別な瞬間を満喫した。明治神宮野球場は来年2026年で100周年を迎えるとのこと。キャプテンの梅澤はステージを去る前に「今の私たちの強みは、メンバーみんなが乃木坂46に向ける愛の強さ。11回目の来年に繋いでいけるように頑張ります!」と宣言したが、10回目という大きな節目を全力でやりきった乃木坂46の夏がここ神宮で続いていくことを願ってやまない。
(文/西廣智一)