「大好きだよ」
シンプルだけれど、これほどまでに素直に愛を伝える言葉はないのかもしれない。
やっと11人揃ったのに、もうこれが最後の11人のつばきファクトリー。
そんな実感がじわじわと湧いてきて、涙を流すメンバーもいた。
メッセージを伝え終わると、『足りないものを埋めてゆく旅』のサビを全員で合唱。
「泣いて喚いてもがいたって 最後に必ず乗り越えて会いに行こう」という歌詞を、メンバーらはそれぞれの想いで歌いきった。
突如「こんなんじゃダメ」という力強い歌詞が、日本武道館に響き渡り、風の流れがガラリと変わる。
『アドレナリン・ダメ』と『断捨ISM』の凛としたビートにあわせ、不死鳥の如く再びつばきファクトリーの元気な歌声が復活。
それでこそ、つばきファクトリー。何度でも何度でも立ち上がる凛々とした力強さが美しい。
ファンらは狂おしいほどに喜びと感情を再燃焼させながら、高く高く拳を振り上げながらエールを送った。
さらに追い打ちをかけるように、初披露となる新曲『アタシリズム』を熱唱。会場のボルテージは頂点に達した。
さらに限界を越えるように、アップテンポのまま『マサユメ』『今夜だけ浮かれたかった』『初恋サンライズ』の3曲を披露し、本編の幕を閉じた。
しかし、会場の熱気がそれで冷めるはずもなく、会場からはアンコールを求める声があがる。
その声は、徐々に、徐々に、徐々に大きくなっていき、最後には場内の空気を激しく振るわせるほどになっていた。
再びメンバーがステージにあがると、会場からは割れるほどの大きな拍手が鳴り響いた。
岸本はステージで
「2023年11月6日、
私、岸本ゆめのはこのステージをもってつぱきファクトリー及びハロー!プロジェクトを卒業します。
ハロー!プロジェクトでの11年間、たくさんの方に支えられて、愛をいただいて、ここまで来ることができま
した。本当に、ありがとうございます。
つばきファクトリーと、りこちゃんと、私岸本ゆめのの物語はこれからも続いていくので、
私は、この先もたくさん歌を歌って生きて行きたいです。
その中で、また、あなたに出会えることを願っています。
出会ってくれた全ての人への、愛と感謝の気持ちは、私らしく歌に乗せて伝えたいので、受け取ってください。
貴方へ、歌います。」
