4期生の木本花音と酒井萌衣はチームEで迎える5回目の初日という話にじーんとしていたら、気付くとユニットブロックに。やはり『君のc/w』、『1994年の雷鳴』など、やはりチームZの楽曲が続く。本編を聴き終え、ここまでSKE48の楽曲が使用されていないことに何かの意図を感じた。つい先日まであんなに「手をつなぎながら」公演で盛り上がっていたのに。SKE48の歴史を刻んでいくというチームSとは対照的な動きに思えた。
アンコールのMCでは、当時リーダーを務めていた須田亜香里が新公演を行うにあたり、SKE48の曲を一切入れずに、新しいチームEの色を出すにはどうすればいいのかと苦悩したことを赤裸々に語った。そして、「チームSになくて、チームKIIになくて、AKB48グループどこもやってない曲ってなんだろうって考えたんです。その時にあまり披露されたことがないこの曲の存在に気付いて、この楽曲だったら自分たちがゼロから作り上げる公演に近づけるんじゃないかな、と思ったんです」と、チームZの楽曲に着目したと明かした。
チームEはグループの中で唯一オリジナル公演がなく、『お下がり』というこれまでどこかのチームで上演されてきた公演を行なってきた。そんな中でチームEの魅力とは何か、自分たちだから出せる色は何かをずっと模索してきていた。2nd「逆上がり」公演への挑戦や、「2分半の袋とじ」動画もそんな状況で生まれ出たものだろう。
オリジナルがないなら、既存のものでも自分たちの色に染め上げてオリジナルにしてしまえ!
「SKEフェステバル」という公演名にSKE48の名を入れながらも、中身はSKE48じゃないという『矛盾』に込められた、メンバーたちの決意にもらい泣きした。それでアンコール最後の曲が『未来が目にしみる』なのだから泣くなと言われる方が無理な相談だ。
この約7年間でSKE48史上最も盛り上がれる劇場公演へと昇華した「SKEフェスティバル」公演。コロナ禍では思うようにいかない劇場運営を強いられたが、それでも人数を減らし、ユニットブロックを削ってでも、ファンからのコールやMIXが戻るまで公演を続けてくれたことに感謝しかない。
結成当時から紡がれてきたオリジナル公演への想い。
それも、7月15日にいよいよ叶う。これまで上演してきた5公演で積み重ねてきた『チームEらしさ』がいよいよ発揮される。同時に「SKEフェスティバル」公演は見納めとなってしまうが、ここに至るまでの過程でとても大事な公演であった。チームEが破るべき最後の殻がこの千秋楽なら、見届けないわけにはいかない。
「SKEフェスティバル」公演千秋楽はいよいよ17時に開演する。