続いて披露する楽曲では、翌日にグループを卒業する秋元真夏へ贈るナンバーであることが明かされる。秋元に憧れグループへ加入した吉田は「本当に優しくて、真夏さんの笑顔を見るとパーっと(明るく)なるから、(今は)寂しくて」と本音を明かしつつ、「別れ際、もっと好きになる」という楽曲に思いをたっぷり込めて披露。さらに、秋元の今後が明るいものであるようにと、「錆びたコンパス」を力強く歌唱してエールを届けた。
ライブ中盤では、2016年末に行われた「3期生お見立て会」を振り返る映像が流れる中、その「お見立て会」で披露された3曲を、当時の映像を背にパフォーマンス。「命は美しい」では卒業した大園桃子に代わり、向井が堂々とした歌とダンスでこの曲を表現し、「裸足でSummer」では与田が、「ガールズルール」では山下が中心に立ち、11人それぞれが逞しく成長した姿を存分にアピールした。
3期生の原点を振り返るパートに続いては、3期生が当時の先輩メンバーと一緒に初めて歌唱したオリジナル曲であり、初めて乃木坂46の一員になれたと実感できた大切な1曲「設定温度」を、11人で感情をたっぷり込めて歌い繋いでいく。続いて、メンバー1人ひとりがこの約7年間を振り返りながら感謝を伝え、ここからグループを守り続けていこうとする強い決意を表明。そんな11人の覚悟が伝わるメッセージのあとには、1人ひとりの個性が強く現れたソロダンスが披露され、会場の熱量が再び上昇していく。
その流れから「世界で一番 孤独なLover」「欲望のリインカーネーション」とダンサブルな楽曲が立て続けに繰り出されると、「大人たちには指示されない」を筆頭に3期生楽曲を連発。「未来の答え」「毎日がBrand new day」とバラエティ豊かなナンバーで会場の多幸感を高めていくと、エンディングでの伊藤のキメ顔も見どころの「僕の衝動」で客席の熱量は沸点にまで到達する。そして、久保が5期生ライブ、4期生ライブを観たことでグループの未来が明るいはずだと感じたことを感極まりながら伝え、「どうか皆さん、私たちの手を叩く方へついてきてください」という力強いメッセージとともに「僕が手を叩く方へ」を披露。会場がクラップでひとつになり、感動的なクライマックスを迎えた。
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「そんなバカな・・・」から始まったアンコールでは、トロッコに乗ってスタンド席を移動するメンバーやアリーナ外周を走る回るメンバーが、再び会場のボルテージを上げていく。その盛り上がりは「転がった鐘を鳴らせ!」へと引き継がれ、オーディエンスの声援やコールによってライブが放つ熱量はピークへと達した。
3期生ライブもいよいよエンディングへ。梅澤の「最後の曲は、私たちがすごく大切に歌ってきた曲です」というメッセージとともに「思い出ファースト」を披露されると、曲中ではメンバーへのサプライズでファンから募ったメッセージがスクリーンに映し出され、感動と感謝を露わにする。そんな“最高の思い出”を共有できた11人は、最後の最後に予定外の「三番目の風」を観客にプレゼントして3日にわたる期別ライブを大成功のうちに締めくくり、翌日に控えた「秋元真夏卒業コンサート」へとバトンを見事に繋いで見せた。
(文/西廣智一)