秋元康総合プロデュースのデジタル声優アイドルプロジェクト・22/7(ナナブンノニジュウニ、通称・ナナニジ)が 8月11日、KT Zepp Yokohamaで初の5都市ツアー「ナナニジ夏祭り 2022」ファイナル公演を開催。日本テレビ「MUSIC BLOOD」で披露し反響を呼ぶ最新曲「曇り空の向こうは晴れている」を始め、14人体制のもと生まれ変わった3組のユニットが個性豊かなパフォーマンスを繰り広げ、新章の到来を確かなものとした。11月16日には10thシングルをリリースし、10月には、自身最大規模となる「22/7 ANNIVERSARY LIVE 2022」を開催することも発表。さらなる躍進への期待が高まった夜公演の模様をレポートする。
【写真】5都市ツアー「ナナニジ夏祭り 2022」を完走した22/7(7枚)
提灯が掛かる盆踊りのやぐらを思わせるステージで、夏祭りさながらのにぎやかな空気に満ちた会場。overtureの流れる中、冠番組「22/7 計算中」用に誂えられた制服衣装で登場したメンバーが一列に立ち並んだ。いよいよ、ツアーファイナル。ここまで得てきたものにお返しするがごとく、投げキスやハートポーズで可愛らしさの大盤振る舞いの「好きと言ったのは嘘だ」から、あふれる気持ちを剛速球でぶつける「韋駄天娘」へと、勢いのあるスタートを切った。
担当キャラクター名とともに自己紹介する22/7ならではの挨拶が、新メンバーも含めて行われることが感慨深い。折しも「山の日」ということで気合いの入っている登山部出身の清井美那は、登場時、客席のペンライトが虹色の層となって点灯されていたサプライズに感激するとともに「いつも応援してくださっているみなさんに、恩返しのできる公演にしたい」と伝えた。宮瀬玲奈は「みなさんと一緒に過ごせる時間はすごく、すごく大切なものだと思っているので、今日も噛み締めて公演に立たせてもらいます」と、真っ直ぐに客席を見つめる。そして、体調不良のため参加できなかった四条月の分まで精一杯パフォーマンスすることを誓うのだった。
2月に新メンバーの加入が発表されて半年ほどになるが、一番変わったこととして語られたのが「楽屋の雰囲気」。メンバー同士で撮影しなければいけないときも積極的にカメラを持ってくれる後輩たちには「計算中」の楽屋のみならずツアー中も助けられたと、白沢かなえが証言する。ツアーの裏話として、体調不良により北海道公演を欠席した相川奈央に「大好きな詩さんの故郷へ行けなかったことが悔しい」と打ち明けられた河瀬詩は「来年行こうね」と、包み込むようなまなざしを向けた。椎名桜月は、本公演に向けてYouTubeでプレミア公開された前回のツアー「14」の映像を見ていた相川から「ダンス上達したね」と言われたことがうれしかったと話した。そんな新メンバーのパフォーマンスの向上は、さらなる楽曲の披露とともに明らかになっていく。
優しく重なりあう花弁のごとく目と目、手と手を合わせたメンバー同士のハーモニーで、清らかに咲き誇る「ヒヤシンス」。その花柱となった白沢が暗転の中ガクリと首を落とし、ゾクゾクした緊張感の中で始まった「地下鉄抵抗主義」。ステージをコロシアムに変え、メンバー同士が火花を散らす「僕らの環境」では、天城サリーと月城咲舞が手を握って魅せたダイナミックなダンスが目を引いた。そんな22/7の凛々しい一面が「理解者」で極まると、最後には「空のエメラルド」。大きくなった地平から生まれるウェーブが、新たな未来への予感とともにヒリヒリした空気を癒やすのだった。
