2022.05.30 公開
【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性

SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロの様子(C)WWSチャンネル  画像 1/41

名古屋・栄を拠点に活動するアイドルグループ・SKE48チームSが新公演「愛を君に、愛を僕に」公演を5月28日(土)よりスタートした。

本公演はSKE48としては2011年スタートの「ラムネの飲み方」公演以来となる11年ぶりの新公演。プロデューサーに小室哲哉氏を迎え、一部作詞・作曲にはTM NETWORKの木根尚登氏も参加し、全16曲を書き下ろした。また、振り付けは『手をつなぎながら』公演、『制服の芽』公演の振り付けを担当した牧野アンナ氏、AKB48グループや乃木坂46や数多くのアーティストの振り付けを担当しているCRE8BOYが担当している。

初日公演に先立ち、関係者向けにゲネプロが行われた。筆者が参加した回には初日夜公演に参加した青海ひな乃・赤堀君江・石塚美月・井上瑠夏上村亜柚香・北川愛乃・鬼頭未来・坂本真凛・杉山歩南・竹内ななみ・都築里佳・中坂美祐・仲村和泉・野村実代・平野百菜・松本慈子の16名が出演した。

この記事では「愛を君に、愛を僕に」公演のパフォーマンスや衣装で気になった点を筆者の主観を交えて執筆した。読みにくい、分かりにくい表現についてはあらかじめお詫びしたい。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性野村実代<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 2/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロの様子(C)WWSチャンネル  画像 3/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロの様子(C)WWSチャンネル  画像 4/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロの様子(C)WWSチャンネル  画像 5/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性平野百菜<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 6/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性青海ひな乃<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 7/41

お馴染みの「overture」が鳴り止み、ステージ上に出演する16人のメンバーが姿を現し、公演表題曲の『愛を君に、愛を僕に』を歌唱した。SKE48はこのコロナ渦で16人で行う劇場公演を休止し、配信限定という形で人数を絞って劇場公演を再開。新型コロナウイルス感染拡大防止策を取りながら6人、8人、12人と出演メンバーを増やし、劇場内も配信から有観客へ移行。徐々に定員数を増やしていたった。約2年ぶりに16人のメンバーが一堂に会し、ステージ上でひしめき合いながら行う激しくも繊細なパフォーマンスに、「見たかったのはこれだ!」と冒頭から心を鷲掴みにされた。この曲のコーラスには小室氏も参加しており、メンバーの背中を押し、送り出すかのような優しさを感じさせてくれた。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性松本慈子<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 8/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性上村亜柚香<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 9/41

これから見た事のない公演が始まるというドキドキ感を抱えながら、リーダーの松本、副リーダー・上村のソロパートから始まる2曲目の『LIVE MASTER』では、このレッスン期間、チームを先頭で引っ張ってきた2人の苦悩を感じさせつつも、感情爆発の歌声に震撼させられた。「レッスン期間を通して仲良しのチームから戦友になれた」と後のMCで上村は話していたが、組閣以前のチームSまでひっくるめても、これまで以上の表現力を求められてきた事が想像できる。肌見せの衣装に着替えた『旅立てジャック』では、杉山と平野の同級生コンビによる、「子供扱いはうんざり」の歌い出しで一気に惹きつけられる。また、野村の規格外のプロポーションや井上らのサビのソロパートも見逃せないポイントだ。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性杉山歩南<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 10/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性石塚美月<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 11/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性(左から)杉山歩南、石塚美月<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 12/41

また、この公演から休止していたユニットブロックも復活。推しメンの姿をじっくりと見届けられるユニットは公演を鑑賞する上での最大の楽しみとなる場面だ。最初に披露された『恋せよ乙女 エクスプロージョン』ではリボンが描かれたブルーとピンクの衣装を着て、石塚、杉山が同期ならではの息の合ったパフォーマンスで魅せる。系統的には『わがままな流れ星』かと思いきや、曲の後半に進むに連れコミカルで見入る振り付けが散見し、中でも杉山の振り切った『競馬ダンス』は一度見たら脳裏にしっかりと焼き付けられるはずだ。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性(左から)赤堀君江、松本慈子、青海ひな乃<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 13/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性赤堀君江<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 14/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性松本慈子<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 15/41

続く『流星』では青海の艶やかな歌声にのっけから酔いしれる。自身の腹筋とそれ以上にボイトレを重ねてきたのだろう。その歌声を「歌唱力No.1決定戦」でじっくりと聴いてみたいと思った。そして何より、9期研究生の時代からペアでいる事が多かった青海と赤堀が同じユニットにいるというのも個人的な見どころであった。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性井上瑠夏<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 16/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性坂本真凛<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 17/41

『嵐からの隠れ場所』では曲のタイトルと衣装のギャップで驚かせつつ、井上、坂本、仲村、鬼頭が可憐なステップを踏みながら、エールが込められた歌詞を届ける。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性仲村和泉<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 18/41

また、取材陣の中での合同見解として、仲村の振り幅のあるパフォーマンスに魅了されたという事を書き添えておきたい。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性鬼頭未来<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 19/41

筆者としても無意識にカメラで追っていた鬼頭の軽やかで、かつ視線を惹きつける動きのあるダンスも注目したいポイントだ。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性北川愛乃<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 20/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性野村実代<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 21/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性竹内ななみ<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 22/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性(左から)都築里佳、野村実代<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 23/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性(左から)都築里佳、北川愛乃、野村実代、竹内ななみ<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 24/41

4人で地球を回していることを表現したという『Fly me to the universe』では、エモーショナルな雰囲気でステージを無重力空間へと誘う。北川や都築によるこれまでのチームSとはかけ離れた表現力を重視したダンスは、それだけで新時代を予感させるには十分の説得力がある。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性(左から)中坂美祐、平野百菜、上村亜柚香<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 25/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性平野百菜<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 26/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性中坂美祐<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 27/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性上村亜柚香<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 28/41

フレッシュさと可愛さ全開で送る『恋するつぼみ』には上村、中坂、平野が登場。ギンガムチェックの衣装は、それぞれ青紫、ピンク、黄色のカラーとなっており、『ウィンブルドンへ連れて行って』の雰囲気を受け継いでいるようにも思えた。また、私見ではあるが、『制服を着た名探偵』の頃から制服衣装との相性抜群の上村と、この曲のハマり具合も見逃せない。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロの様子(C)WWSチャンネル  画像 29/41【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性『小悪魔ブルーベリー』〜『LOVE RENOVATION』のCA風衣装(※写真は初日夜公演のもの)(C)2022 Zest,Inc.  画像 30/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性『小悪魔ブルーベリー』〜『LOVE RENOVATION』のCA風衣装(※写真は初日夜公演のもの)(C)2022 Zest,Inc.  画像 31/41

後半ブロックで着用したCA風のワンピース衣装は、『この胸のバーコード』の雰囲気を残しつつ、チームカラーと対照的な紺色の衣装が珍しい。丈の長いスカートは動く度に振り遅れで揺れ、メンバーのダンスをより立体感のある動きとして魅せてくれる。そして、披露した『小悪魔ブルーベリー』は耳に残るサウンドで一度聴けば初見でも口ずさみたくなる魅惑的な一曲だ。赤堀の艶めかしいダンスにも注目だ。

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ここで制服衣装に着替えたメンバーは『青春Growing』を元気よく歌唱。サビの両手を広げ片脚でジャンプしながら移動する振り付けは見ていて楽しく、野外ステージのパフォーマンスが強いSKE48の新しい盛り上がり曲になる予感がした。

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そして、アンコール明けの『リ と マ』は『ピノキオ軍』の正統進化版のような印象に。何よりアンコール明けの疲労度度外視のバカになる程踊りまくる楽曲が用意されていたことは素直に嬉しい。そして、小室サウンド全開の『頼りは翼だけだ』。劇場のボルテージを一気に高める爽快感あふれるサウンドとチームS全体のパフォーマンスのハマり具合は、この公演最大の見せ場と言ってもいいだろう。

【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性松本慈子<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 37/41 【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性上村亜柚香<SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロ>(C)WWSチャンネル  画像 38/41

そして16曲目に披露された『マイ・ドリーム』。
これまでチームS公演の最後を締めくくってきた楽曲は、たとえ離れ離れになっても同じ空の下にいることを教えてくれた『遠くにいても』。『好き』という気持ちを言葉にも文字にも起こせないもどかしさを歌った『手紙のこと』。ファン目線で推しメンへの想いを綴った『僕は知っている』などが挙げられるが、ここまで直球でメンバーの気持ちが歌われたことはなかった。「(オリジナル公演)やれるかもしれないという希望を持ったまま辞められなくて、粘り続けてたら小室さんや木根さんが楽曲を作ってくださって、当時とは違う形で夢は叶うんだなって・・・」と、都築は初日後の会見でそう話した。都築の場合、2013年に一度あった新公演発表から数えて8年半待っての今があると思うと、頷かずにはいられなかった。

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チームSの場合、周りとの比較というよりも、過去や卒業していった先輩メンバーと比較される場面がどうしてもあった。チームSSKE48の顔という考え方は初期から推している人ならばそう思ってしまうだろう。「若いだけじゃないチームSを絶対に見逃さないでください!!」と、ゲネプロ後に行ったインタビューで、井上は「どうしても言いたいことがある」と付け足し、そのメッセージをカメラに向かって叫んでくれた。2度の組閣と随時行われた昇格を経て生まれ変わった現在のチームSは、3チームの中での平均年齢も若く、各々の実力もポテンシャルもあるメンバーたちが揃っていた。満足いかない評価となってしまったのはただ、それをチーム全体で納得のいく形で発揮するきっかけがなかっただけだったのだ。

愛を君に、愛を僕に」公演はSKE48、48グループ全体に公演の楽しさ、重要さを改めて教えてくれる公演になったと思う。現在でいうところの新公演は過去に行われたもののリバイバルや、既存の楽曲をシャッフルし組み直したものを指す。そうした状況に我々は慣れすぎてしまったのかもしれない。半年から1年の期間で次々と生まれたオリジナル公演を目にしてきて、メンバーのリアルな感情が反映された歌詞に湧き上がり、涙し、ポジションの順序やユニットの組み合わせに一喜一憂し、感想や意見を交わしたことを、筆者自身もどこかに忘れていた。そして何よりも、どんな困難な場面にでも、がむしゃらに、真面目すぎる素直さを持ってどんどん乗り越えていく姿をまざまざと見せてくれるSKE48がいなければ、筆者の今はないとさえ思っている。メンバーが口々にする「この公演をSKE48への入り口にしたい」という思いは、当時の筆者のように、SKE48に一度でも心を揺さぶられた人であれば、彼女たちのステージを見てその本気さを感じ取れるはずだ。
6月11日(土)には『ご満足いただけなければ、全額返金』するという「全額返金保証公演」の実施も発表されている。SKE48にとっては初の試みであり、この企画を通してスマホやPCの画面越しでは分からない、実際に会って見て感じる生のステージの迫力と面白さが、より多くの人に伝わるきっかけになればと思う。

「オリジナル公演」という言葉の響きは48グループファンの全員に響く、甘く、渇望する言葉たと思う。AKB48の始まりが劇場公演であったように、本質はライブアイドルであったはずだ。こうした新たなプロデュースの試みがSKE48から各グループに波及し、「やっぱり劇場公演っていいよね!」と思われる動きがどんどん加速していくことを願っている。


そして最後に、メンバーそれぞれの「私だけのドリーム」が叶うことを、微力ではあるが応援できればと思う。

 

▼野村実代と井上瑠夏のゲネプロ終了後のインタビュー動画はコチラ▼
https://wws-channel.com/girls2/345080.html


▼チームSリーダー・松本慈子と副リーダー・上村亜柚香の初日公演開演直前インタビューはコチラ▼
https://wws-channel.com/girls2/345107.html

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