2022.05.30 公開
【コラム】SKE48・チームS、小室哲哉プロデュース「愛を君に、愛を僕に」公演を見て感じた劇場公演の必要性

SKE48・チームS「愛を君に、愛を僕に」公演・ゲネプロの様子(C)WWSチャンネル  画像 1/41

そして16曲目に披露された『マイ・ドリーム』。
これまでチームS公演の最後を締めくくってきた楽曲は、たとえ離れ離れになっても同じ空の下にいることを教えてくれた『遠くにいても』。『好き』という気持ちを言葉にも文字にも起こせないもどかしさを歌った『手紙のこと』。ファン目線で推しメンへの想いを綴った『僕は知っている』などが挙げられるが、ここまで直球でメンバーの気持ちが歌われたことはなかった。「(オリジナル公演)やれるかもしれないという希望を持ったまま辞められなくて、粘り続けてたら小室さんや木根さんが楽曲を作ってくださって、当時とは違う形で夢は叶うんだなって・・・」と、都築は初日後の会見でそう話した。都築の場合、2013年に一度あった新公演発表から数えて8年半待っての今があると思うと、頷かずにはいられなかった。

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チームSの場合、周りとの比較というよりも、過去や卒業していった先輩メンバーと比較される場面がどうしてもあった。チームSSKE48の顔という考え方は初期から推している人ならばそう思ってしまうだろう。「若いだけじゃないチームSを絶対に見逃さないでください!!」と、ゲネプロ後に行ったインタビューで、井上は「どうしても言いたいことがある」と付け足し、そのメッセージをカメラに向かって叫んでくれた。2度の組閣と随時行われた昇格を経て生まれ変わった現在のチームSは、3チームの中での平均年齢も若く、各々の実力もポテンシャルもあるメンバーたちが揃っていた。満足いかない評価となってしまったのはただ、それをチーム全体で納得のいく形で発揮するきっかけがなかっただけだったのだ。

愛を君に、愛を僕に」公演はSKE48、48グループ全体に公演の楽しさ、重要さを改めて教えてくれる公演になったと思う。現在でいうところの新公演は過去に行われたもののリバイバルや、既存の楽曲をシャッフルし組み直したものを指す。そうした状況に我々は慣れすぎてしまったのかもしれない。半年から1年の期間で次々と生まれたオリジナル公演を目にしてきて、メンバーのリアルな感情が反映された歌詞に湧き上がり、涙し、ポジションの順序やユニットの組み合わせに一喜一憂し、感想や意見を交わしたことを、筆者自身もどこかに忘れていた。そして何よりも、どんな困難な場面にでも、がむしゃらに、真面目すぎる素直さを持ってどんどん乗り越えていく姿をまざまざと見せてくれるSKE48がいなければ、筆者の今はないとさえ思っている。メンバーが口々にする「この公演をSKE48への入り口にしたい」という思いは、当時の筆者のように、SKE48に一度でも心を揺さぶられた人であれば、彼女たちのステージを見てその本気さを感じ取れるはずだ。
6月11日(土)には『ご満足いただけなければ、全額返金』するという「全額返金保証公演」の実施も発表されている。SKE48にとっては初の試みであり、この企画を通してスマホやPCの画面越しでは分からない、実際に会って見て感じる生のステージの迫力と面白さが、より多くの人に伝わるきっかけになればと思う。

「オリジナル公演」という言葉の響きは48グループファンの全員に響く、甘く、渇望する言葉たと思う。AKB48の始まりが劇場公演であったように、本質はライブアイドルであったはずだ。こうした新たなプロデュースの試みがSKE48から各グループに波及し、「やっぱり劇場公演っていいよね!」と思われる動きがどんどん加速していくことを願っている。


そして最後に、メンバーそれぞれの「私だけのドリーム」が叶うことを、微力ではあるが応援できればと思う。

 

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