ここで、中川が「サプライズで新曲を作ってきました」と報告。「美優が作詞をしました。美桜が卒業するってなったから作った曲なんですけど、歌詞の細かいところまで深い意味が込められているので、ぜひ歌詞にも注目してください」と呼びかけると、深瀬は「いい歌詞だよね。泣いちゃうよ」と語り、中川が「まねきケチャ史上一番いい曲だよね」と続けると、会場からは期待に満ちた拍手が沸き起こった。そんなやり取りの後に披露された新曲「あの花」は、メンバーの新たな旅立ちにエールを送りながら前に進む決意を込めた、エモーショナルな楽曲となっていた。スクリーンに深瀬美桜を思わせる桜の花びらが舞い散る中で、深瀬はメンバー全員と目を合わせながら歌唱。涙で歌えなくなるシーンもあったが、メンバーは優しく寄り添いながら<またどこかで会えるよね>と深瀬に直接語りかけるかのように歌った。
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ライブの後半に、<君と一緒にいたいんだ>という願いにも似たフレーズから始まる「ありきたりな言葉で」から自分の気持ちを言葉で伝える大切さを歌った「あたしの残り全部あげる」、全力で<I LOVE YOU>を告げる「難攻不落」と、歌を通して、お互いの愛と感謝を思い切り伝え合うラブソングを続けたあと、深瀬からメンバーやファンに向けた手紙が読み上げられた。メンバー一人一人に向けて素直な気持ちを述べる中で、「同じステージで歌えたことを誇りに思います」と伝えられた松下は顔を覆って号泣。ファンに対しては、「アイドルの深瀬美桜を見つけてくださり、愛してくださり、本当にありがとうございます。みなさんがたくさんのステージで私を輝かせてくれました。ステージで見た景色、全て宝物です」と涙ながらに感謝を伝え、「私はまねきケチャとして経験してきたことを生かして、これから新しい道に進みたいと思います。そして、これからもまねきケチャの応援をよろしくお願いします。まねきケチャというグループで活動できて幸せでした」と胸を張り、深々とお辞儀をして、最後の挨拶を終えた。
そして、あなたのために変わりたいと誓うドラマチックなナンバー「昨日のあたしに負けたくないの」で涙を流したままで歌声を重ねた5人は、本編の最後に「冗談じゃないね」を披露し会場のボルテージは最高潮に。深瀬は歌詞を<まねきケチャ大好きだよ!>と変えて歌い、会場全体が大騒ぎとなる中で賑やかに締めくくられた。
アンコールでは、スクリーンにこれまでのメンバー同士の思い出が映し出されるなかで、未来と過去の自分に向けて書いた手紙をモチーフにした自分応援ソング「タイムマシン」をパフォーマンス。場内にシャボン玉が舞う幻想的でノスタルジックな空間の中で5人は1つの円となって仲良く手を繋いだ。ここでマネージャーが登壇し、サプライズで花束とファンによるメッセージカードを贈呈。深瀬は再び、「まねきケチャのメンバーとして活動できて本当に幸せでした!」と声を上げた。そして、この5人として最後の曲に選ばれたのは、まねきケチャの名を世に知らしめた2016年の代表曲「きみわずらい」。フロアが深瀬のメンバーカラーである黄色のサイリウム一色に染め上げられる中で、エモーショナルな歌声に合わせて銀テープが放たれると同時に深瀬を中心にメンバーがステージ中央で抱き合い、最後の瞬間を惜しむように涙した。そして5人で客席に向かって挨拶を行い、メンバーは深瀬を残して退場。一人残った深瀬が「これからもまねきケチャを好きでいてくれますか?」と呼びかけると、場内からは温かく大きな拍手がわき起こり、現体制最後の全国ツアーの幕は下ろされた。
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