アンコールでは、白いドレスに身を包んだ渡邉がBuddiesに向けてスピーチを始める。彼女は「卒業発表をしてから今日この日を迎えるまで、メンバーや自分自身が笑顔でいられるようにと約半年くらい過ごしてきましたが、思い出を振り返れば振り返るほど、これまでの活動がキラキラと輝いていたので、離れたくないと思ってしまうぐらいにグループのことが大好きだったんだなと改めて感じました」と口にし、続けて「こんな自慢したくなるようなグループにいられたことが本当に誇りだし、これから私が新しく羽ばたいて他の道へ進んでも、櫻坂46にいたんだぞと胸を張って言える気がします。本当に約7年間、こうして愛おしい時間を皆さんと共有できたことを、心からうれしく思いますし、感謝の気持ちでいっぱいです。これからも櫻坂46と渡邉理佐の応援をよろしくお願いいたします」と感謝の言葉を伝えた。
続いて、ステージに合流した1期生が渡邉にメッセージを送る。上村や齋藤冬優花、尾関梨香、小林由依がそれぞれの思いと感謝を口にすると、その流れで渡邉と菅井がユニット『青空とMARRY』の楽曲をメドレーで披露。2人寄り添って回廊を歩きながら歌うその姿は、この貴重な時間を心底楽しんでいるように映る。メンバーが再び勢揃いすると、「太陽は見上げる人を選ばない」でグループの絆をアピールし、最後は渡邉の「みんなで騒げー!」を合図に「危なっかしい計画」で笑顔を振り撒きながらライブは終焉。会場のBuddiesに向けて挨拶をすると、客席からは「7年間ありがとう」のメッセージが添えられた用紙が掲げられるサプライズが。驚きつつも喜びの笑みを浮かべる彼女は、トロッコに乗ってスタンド席を一周する。そこからステージに戻ると、今度はヒマワリの花を一輪ずつ持ったメンバーの姿が。何も聞かされていなかったこのサプライズに驚きの声を上げるも、そのまま渡邉はメンバー1人ひとりから感謝の言葉とヒマワリの花を受け取り、約3時間におよぶグループ初の卒業コンサートは幕を下ろした。
常にメンバーのことを大切に思い、グループ躍進の功労者として約7年にわたり活動してきた渡邉理佐。この先、渡邉と櫻坂46は互いに別の道を進むことになるが、どちらもさらなる活躍に期待したい。と同時に、櫻坂46としての歩みはこの先も続いていく。菅井が「理佐が残してくれたものを大切にして、より高みを目指していきます」と語ったように、ここからの飛躍にも期待したい。
(文/西廣智一)
(写真/上山陽介)