「二度目の日本武道館公演、夢の続きを楽しみましょう」の言葉に続いて歌ったのが、この日がライブ初披露になる新曲の『弱さじゃないよ、恋は』。とても愛らしい表情を魅力にした楽曲だ。メンバーらが情熱たっぷりに歌うサビパートの声に、胸が熱く騒いでいた。誰もが初見にも関わらず、歌に合わせ、頭上高く掲げたペンライトを大きく降り続けていたように、切なさを覚える歌に心震わせるなど、すぐに歌の世界へ気持ちを溶け込ませ楽しめるところが嬉しい。メンバーらの熱情したフェイク声も、印象深く胸に響いていた。
この日は、もう一つ新曲を披露。冒頭から押せ押せでせまる『アドレナリン・ダメ』は、とてもパワフルな、感情を一気ヒートアップさせる熱情ナンバー。メンバーらの躍動するダイナミックなパフォーマンスに触れ、気持ちがずっと騒いでいた。ジッとなどしてられない。身体中のアドレナリンを逆流させるくらい、感情が熱々に沸騰してゆく最高のライブチューンの誕生だ。
激しく攻めたと思えば、愛らしい表情を見せながら温かく寄り添う姿も披露。心の中の足りないものをいろんな楽曲で埋めてゆくように続くライブなのが、嬉しい。つばきファクトリーのさまざまな楽曲を通し、彼女たちと素敵な夢の旅を続けているようだ。そんな最上級の音楽を楽しみながら物語は進んでゆく。
日本武道館では、舞台中央のステージとメインステージの両方を使い、華やかなダンスパフォーマンスを見せながら歌を届けた『だからなんなんだ!』など、巨大な空間だからこその利点を用い、メインステージと花道や中央ステージを巧みに使い、身体は騒ぎながらも、ずーっと視線追いかけたくなる場面を次々と見せていたのも、大きな会場だからこその楽しみ方。どんどん熱をあげてゆく中にも、胸をキュッとさせる曲を次々重ねてゆくメンバーたち。手拍子をしてメンバーらへ思いを届けた『My Darling~Do you love me?~』など、気持ちを心地好く躍らせる歌たちに、心がずっと跳ねていた。
終盤の盛り上がりへ向け、最高に気持ちを熱く騒がせたのが『断捨ISM』。ここからは、ラストへ向かって盛り上がるのみ。浮かれたい、とにかく今は浮かれていたい。ラテンビート華やかな表情など、どの楽曲でも彼女たちは、熱情した気持ちを思いきりぶつけていた。曲が進むごとに炎のようなオーラを身体中から放つのはもちろん。熱々とした歌声の手を伸ばす12人に刺激を受け、場内中の人たちもペンライトを思いきり振りながら、熱狂の中に心地好く溺れていった。
アンコールの最初にメンバーが見せたのが、凛々しいボディパーカッション(ダンスパフォーマンス)。強烈なリズムと身体の動きがシンクロ。ときに大きな声を上げ躍動する12人の動きを、会場中の人たちが熱い視線を向けて見つめれば、リズムに合わせ一緒に手拍子する人たちもいた。そこから『表面張力~Surface Tension~』へ続く動きが最高に刺激的だ。何時の間にか、会場中のあちこちでメンバーらの動きに合わせ同じ動きをしてゆく人たちが生まれれば、日本武道館が熱々なカルナバルな場に染めあがっていた。
「この景色を見れてることは大きな奇跡だと思います。これを、今度はもっと感動に変えていきたいなと思います」(福田真琳)。
