続いて、有澤、入江、江幡の3名が披露したのは、ポップでキュートなアップチューン『如雨露』。新メンバーならではのフレッシュさを持ちながらも、新メンバーとは思えない高い歌唱力で元気いっぱい歌い上げる。

その後、金澤・段原・松永・江端の4名で『プラトニック・プラネット』、金澤・稲場・工藤・有澤の4名で『TOKYOグライダー』、金澤・井上・入江の3名で『Wonderful World』を披露。金澤と、金澤卒業後グループに残る唯一のオリジナルメンバー・植村で披露されたのは『シンクロ。』。向かい合う振りでは目を見合わせ、心身どちらのシンクロも感じさせるこの楽曲は、長年共にしてきた2人だからこそ歌える楽曲だろう。そして、ここまで全ての楽曲に金澤がいることで、彼女がこれまでJuice=Juiceで築き上げてきたものの大きさを実感することができた。

その後、MCを挟み『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの？』をドロップ。Juice=Juiceの名を世に知らしめるきっかけともなった楽曲は、強く見られる女性の弱さを歌う。そしてその楽曲を堂々と披露するJuice=Juiceの戦闘力はどこからどう見ても強すぎる。その後、ライブのキラーチューン『私が言う前に抱きしめなきゃね』、『Fiesta! Fiesta!』を続け様に披露。感染対策で声援を送ることができない観客は、手振りも交えながらサイリウムで精一杯にこちらの熱をステージに届ける。そして、有澤、入江、江端の3名も合流し10人全員で披露されたのは『CHOICE & CHANCE』。Juice=Juiceの中で1.2を争う熱いロックチューンで、強い女性像を確立させる。曲中では井上のボイスパーカッションに乗せてダンスをする場面も見せ、グループの進化を感じさせる。楽曲最後のキラーパートは段原が担い、会場中を震撼させた。その後ドロップされたのは多幸感溢れる楽曲『Magic of Love』。金澤へのコールが印象的な楽曲でもあるが、感染症対策で声援が禁止される今回は、メンバーが「ここだよ朋子！」のコールを大絶叫！多くの制限で我慢を強いられてきた観客の心が救われた瞬間でもあるだろう。そして、曲終盤のフェイクを担ったのは前曲に続いて段原。そして井上・植村は歌詞を変え「朋子が好きよ」と金澤に大きな愛を届けた。

MCでは、金澤が新メンバー3人に話を振ると、江端は「3人で『如雨露』を披露させていただいたんですけど、たくさん練習して頑張ってきたので本番で楽しく歌えて良かったです！」と笑顔を見せる。入江は「私はリハーサル中に、先輩方や先生方に迷惑をかけしまったんですけど、一生懸命頑張ってこの景色を見ることができて幸せです」と涙を見せた。そして有澤は「こんなに大勢の方が来てくださって、未だに夢の中にいる感じがします 。感謝しかないです。ありがとうございます」と感謝の言葉を口にした。

その後、金澤が「私たちも幸せを噛み締めながらここまでお送りしています。次は、自分で言うのも何ですがとっても良い曲を歌います！笑顔で歌い切れるように頑張ります」と言い披露されたのは、コンサートタイトルにもなっている『Familia』。スペイン語で"家族"を意味する楽曲は、金澤を送り出す曲でもある。楽曲終盤には涙を堪えていた金澤。彼女がリーダーとして支え続けてきたJuice=Juice というグループは、彼女が"ただいま"と帰ることができる場所でもあり続けるだろう。そして本編最後は『Goal～明日はあっちだよ～』。Juice=Juiceというゴールテープを切り、新たなゴールを目指す金澤の背中を、メンバーは楽曲を通して後押しし、会場は金澤の卒業を惜しみながらも祝福する温かい空気で包まれていた。

メンバーがステージを後にしてすぐに、真っ赤なサイリムに染まる会場から手拍子のアンコールが起こると、真っ赤なドレスに身を包んだ金澤が一人でステージに登場し、『あなたを想う帰り道』を歌唱。唯一無二の歌声でしっとりと歌い上げられると、金澤の歌声が包む会場は一気に上質な空間へと変わる。バラード曲では、金澤の表現力が存分に発揮され、聴く人を曲の世界観へと連れて行く。そしてそのまま、『続いていくSTORY』へ。金澤の後方、階段のセットに散らばった他メンバー9名は、前方にいる鮮やかなドレスを身に纏った金澤へ心からの歌を届ける。落ちサビはグループに残る最後のオリジナルメンバー・植村と2人で歌い上げ、追いかけるように他8名が横一列に。Juice=Juice卒業後の金澤、金澤卒業後のJuice=Juice、双方の未来に期待を持たせてくれる楽曲だ。

「Juice=Juice Concert 2021 FAMILIA 金澤朋子ファイナル」(※提供写真)  画像 5/10

そして、この日グループを卒業する金澤のスピーチへ。