続くMCは白鳥、田中、木村の3人が「今年チャレンジしたいこと」について語ることに。木村が「バク転」、白鳥が「バンジージャンプ」と、思いがけずアクティブな2人の答えに、会場からどよめきがあがる。「私は高いところも絶叫系も虫もおばけも全部苦手です」という田中が挑戦したいことは「登山」。高いところが苦手なのに?という疑問をそっと胸にしまったまま、手拍子でのコール&レスポンスや、木村の誘導によるフラッグのウエーブで、一緒に一体感を楽しむ父兄達の様子もさくら学院ならではの光景だ。
この日のハイライトの一つと言えるのが、一夜限りの部活動ユニットの復活だ。まずは、野中、佐藤、野崎の3人による美術部 Art Performance Unit“trico dolls”。2018年度ぶりに「C’est la vie」を披露。結成当時のメンバーである野崎を中心に、透明感のある3人の歌声と、パントマイムを用いたパフォーマンスで魅了した。そしてキュートな美術部と入れ替わるように緊迫感のある清野茂樹氏による実況場内アナウンスが流れ、それまでの空気を一掃。ジャージ姿の八木、戸高によるプロレス同好会の復活だ。「Spin in the Wind」でパワフルな歌とキレのいいパフォーマンスで熱演している途中、「オイ、お前らリングに上がってるけど、プロレス語れんのかよ?」と声が掛かった。スモークと共にステージ後方から現れたのは、プロレス同好会OGの田口華(2014年度卒業生)と磯野莉音(2015年度卒業生)。これには父兄達からも思わず大きな声が漏れた。「今日はお前たちにプロレスの極意を叩き込んでやる」、「望むところだ」と4人による一夜限りの復活戦に。田口と磯野が貫禄のある迫力のパフォーマンスを見せ、「勝利を手にしたのはやはり田口華、そして磯野莉音」というアナウンスに、大きな拍手があがった。そこでマイクを取ったのは八木。「スーパーレディーの道。自分にとってこれ以上のない喜び。好きなことをやるっていうのは楽しいことだけじゃない」、続けて戸高も「嬉しさ悲しさ悔しさもどかしさすべて含め、俺はこのさくら学院で生きていると思う」とマイクパフォーマンス。「わかったようだな。迷わず行けよ、行けば分かるさ」と、アントニオ猪木のプロレス史に残る名言を田口が告げ、磯野の「頑張れよ」という言葉と共に八木にチャンピオンベルトを託した。
思わぬサプライズに興奮冷めやらぬ中、美術部のパフォーマンスをしたばかりの3人が感想を述べる。振りや高音の歌の難しいところは野崎が教えてくれたと感謝する野中と佐藤。野崎は「卒業生2人に教えてもらったことを、(佐藤と野中の)2人に教えられてよかった」と語った。また、久しぶりの部活動の披露について「伝統を受け継げた気がして嬉しかった」と野中が率直な思いを伝えた。八木と戸高がステージに戻り8人が揃うと、話題はニューアルバム『さくら学院 2020年度 〜Thank you〜』のことに。〈さくら盤 初回盤A〉収録の「The Days 〜新たなる旅立ち〜」のMVやオフショットに注目をと言う田中、2015年度ぶりに「School days」が一曲目になったことを挙げた野中、そして佐藤の「次の曲は私の大好きな曲です」という振りから、「マシュマロ色の君と」へと流れた。
いきいきとした8人のユニゾンがまっすぐに心に届く。そして2020年度メンバーでは初披露となる「さよなら、涙。」を情感豊かに聴かせた後、本編ラストの新曲「The Days 〜新たなる旅立ち〜」へ。軽やかで明るいサウンドと歌声の中にある、キラリと光る哀愁が印象的なナンバーだ。曲の途中、「今日は最高の思い出を作りましょう」「私は今すごく幸せです!」「父兄の皆さん大好きです!」など、それぞれの思いを会場へと投げかけるところも、歌い終えた後の充実感に満ちた8人の笑顔も、グッとくるシーンだった。
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