「私たちの完成した姿を見ていただけたらと思います」と始まったのは「未完成シルエット」。最後のサビの歌詞にある“バイバイ”を、感情のこもった声で放ったのは有友。ギュッと胸を締め付けてくる“バイバイ”だった。「私はこのさくら学院に入って、小さな勇気、大きな勇気をたくさんもらいました。さくら学院は私の宝物です」。思いのこもった吉田の言葉の後、「Jump up〜ちいさな勇気〜」で本編を締めくくった。
さくら学院 2019年度卒業公演「The Road to Graduation 2019 Final ~さくら学院 2019年度 卒業~」 画像 12/15
卒業証書授与式では、中等部3年の藤平、吉田、有友、森の4人と、小等部を卒業する野崎結愛が卒業生として肩を並べる。倉本美津留校長から1人1人卒業証書を授与されると、晴れやかな笑顔を見せた。送辞を読んだのは中等部1年の八木美樹。その中では、自粛期間中も中3メンバーを中心に課題を出し合い、ダンスの動画を送りあったりしていたことも明かされた。答辞は卒業生を代表して生徒会長の藤平が務めた。メンバーやスタッフ、職員室の先生へと明るく感謝の言葉を述べていた藤平だったが、父兄への感謝を気持ちを伝えている時に思わず言葉を詰まらせる。直接は会えなかったけれど、それだけで彼女の思いは十分に伝わったに違いない。「開校10周年となるこれからのさくら学院を温かく見守ってくだされば嬉しいです。さくら学院の卒業生として、ここから新たな未来へ輝くスーパーレディーを目指して頑張ります!さくら学院大好き!」と締めくくった。倉本校長はそれぞれの委員長の役割を立派に務めた4人の労をねぎらい、担任の森先生は「例年どおり感情のミルフィーユがぐじゃぐじゃです。大好きな4人でした」と心境を語った。
さくら学院 2019年度卒業公演「The Road to Graduation 2019 Final ~さくら学院 2019年度 卒業~」 画像 13/15
さくら学院 2019年度卒業公演「The Road to Graduation 2019 Final ~さくら学院 2019年度 卒業~」 画像 14/15
授与式を終え、再びフロアに12人が降り立つと、「旅立ちの日に」を合唱。12人のハーモニーが胸を打つ。そしてラストナンバーは、さくら学院の始まりの曲である「夢に向かって」。曲中で有友が「私はさくら学院が大好きだ!」と叫んだ。さくら色に彩られた銀テープが宙に弧を描き、凛とした歌声は輝く未来をまっすぐに照らす。どれもこれもエモーショナルな瞬間だった。
最後に中3の4人がフロアに残ると、「さくら学院で学んだことをこれからのスーパーレディーへの道で役立てたいと思います。今まで本当にありがとうございました」(森)、「私はさくら学院に入ってたくさんの方と出会えました。私はさくら学院にいた日々が本当に幸せでした」(有友)、「最初は本当にひょろひょろで何もできなかった私が、今ではみんなからお母さんとか言われるぐらいの頼れる存在になれたんじゃないかなと思います。これから私たち4人は羽ばたいていきます」(吉田)、「こんなに素晴らしいところに転入してきて、本当に幸せで毎日が夢のようでした。これから私たちは@onefiveとして4人で活動していきます。みんなで素敵な素敵なスーパーレディーになって輝いていきたいと思います」(藤平)と、それぞれの思いを語った。そして、「以上!さくら学院でした!バイバイ!」。いつもと同じエンディングコールをした後、4人は「ありがとうございました」と声を揃え、光輝く新しい扉へと旅立っていった。
思えば1年前の転入式で、トーク委員長に選ばれた森が不服を訴えるというハプニングから始まった2019年度のさくら学院。波乱のスタートに、どんな一年になるのだろうとハラハラしたりもしたが、本音をぶつけ合いながら切磋琢磨し、個性を活かしあいながら成長したチームだったのではないかと思う。
