12月25日深夜、SKE48が「ミッドナイト公演5th ~SKE48と過ごすクリスマス延長戦~ 24:25公演」を開催した。本来は周年イベントの一環で開催される「ミッドナイト公演」だが、今回は初の単独イベントとして開催。しかも、前回の開催から約3ヶ月という異例のスピードでの再演に驚きと期待感で発表時から賑わいを見せた。
24時25分にステージの幕が上がった。今回の出演メンバーは山内鈴蘭が事前に発表されていた以外は開演までシークレットに。普段の公演とは違う熱気に満ちた『overture』にのせて、山内、青木詩織、荒井優希、大場美奈、北野瑠華、高柳明音、古畑奈和、井田玲音名、斉藤真木子、須田亜香里の10名が登場し公演をスタート。
セットリストは松任谷由実の『恋人がサンタクロース』から始まり、『とっておきクリスマス』とクリスマスならではのナンバーが続く。ミッドナイト公演らしく、丈の短いサンタクロースの衣装に網タイツという組み合わせで大人のセクシーさを演出。聖なる夜はまだまだ終わらない。ここからが本番だと言わしめるように、妖艶なライティングがステージを照らすと『やりたがり屋さん』を熱唱。異様な熱気と湿り気が劇場を包み込んでゆく。上着を脱いだ山内はタガが外れたように、キレのあるダンスで弾けた。
MCでは大場美奈が「クリスマスにずっと『やりたい』って言ってたけど、ついにやっちゃったね。いつもなら周年の盛り上げだけど、今回はこれがメインだから!」と念願が叶った事を明かす。事前に配信されたドキュメンターの公開などいつも並々ならぬ気合を見せる山内は「ミッドナイトがなかったら私の存在意義がない!」と叫ぶ。出演メンバーは前回とほぼ変わらないが、須田亜香里が2017年の公演以来の参加。「ちゅりさんの卒業発表に立ち会えなかったのがすごく悲しくて。今回はちゅりさんメインで出る事を決めました」と出演の理由を明かす。そして、前回衝撃的な卒業発表を行った高柳は「楽しみにしてきました。もう一回できるとは思わなかったです。ダメ元でお願いしたら叶ったので、今日は存分に楽しんでいきたいです」と意気込んだ。
ここからはユニットブロックへと突入。まずは荒井、井田、北野、斉藤、山内の5人で『野蛮な求愛』を披露。斉藤をセンターに北野、山内のダンスメンバーによるスキルの高いパフォーマンスに加え、両脇を固める荒井、井田の身長を生かしたシンメトリーなダンスが光る。続く『毒蜘蛛』は前回のミッドナイト公演で大反響を呼んだ高柳と古畑によるペア。ステージの中央に置かれた白いソファ。ピンクのバスローブ姿で古畑をリードする高柳の姿に会場の視線は釘付けに。「キスが下手すぎて」と古畑に暴露された前回とは違い、曲終わりの間奏で交わした熱い口付けにファンから盛大な拍手が贈られた。そして、青木、大場、北野、斉藤、須田によるユニットで「ラブ・クレッシェンド」の大人ナンバー『今夜はShake it !』へ。通常は若手メンバーによる披露だからだろうか?マイクスタンドを握る手つきや、サビでふわりと浮かび上がる衣装など一つ一つの要素にセクシーさが漂った。
MCの話題はもちろん高柳と古畑のパフォーマンスについて。古畑はパフォーマンスの相談で高柳とやり取りをしたエピソードを明かし、「ピンクの衣装を着てもらったんだけど、『ピンク色が似合うように育てて下さい』ってメッセージがきた」と暴露。「今回は前回の2人の続きになっていて、あの、、、お風呂上がりに、、、」と言葉を詰まらせる高柳に、すかさず荒井が「プライベートでもやってるんですね!」と鋭い指摘にメンバーも笑いを抑えきれない。そこへ山内が先日の全国ツアーで訪れた福井でのある出来事を話し始め、「ライブの後、一杯だけ乾杯したじゃん。その後、奈和ちゃんがちゅりちゃんに『酔っちゃった』ってやるんですよ!」と暴露。「普段からやってくるんですよ」と言う高柳に赤面する古畑。話の流れは高柳の卒業後に誰とユニットを組むのかという話題へ。「卒業後にすぐに相手ができてたら嫌だな。ステージで初めてキスを捧げた女なので」と複雑な心境を語る高柳に、古畑は「ここで朽ちていきそう。(卒業と共に)一緒に終わっていきそう」と誓った。
企画コーナーを挟んで再開した後半戦は『命の使い道』から披露。本家チームBよりも着崩した制服衣装に、青木の痛烈なセリフが劇場にこだまする。『制服が邪魔をする』でシリアスな雰囲気に飲まれそうになりながら、猫耳に尻尾をつけたメンバーたちが『シャムネコ』を、そして『彼女になれますか?』と異なる2つのイメージの楽曲で可愛さを表現した。この間、須田はAD風の衣装で客席中央に置かれたミッドナイト公演限定の煽りアングルのカメラを操作。来年発売の新曲『ソーユートコあるよね?』のセンターでありながら裏方に徹するというツッコミどころ満載の行動だが、アングルに気を使う真剣な視線はまさに職人の眼差しだった。『嵐の夜には』、『今度こそエクスタシー』と畳み掛けるセットリストにメンバーもファンも限界という考えを捨てた盛り上がりを見せる。そして、本編最後の楽曲は『誰のことを一番愛してる?』へ。前回でも好評だったナンバーだけにファンからの視線が熱く注がれる。これまでのパフォーマンスを踏まえて、メンバーからファンへ向けられた猟奇的な問いかけに、通常の公演では味わえない気迫を全身で感じた。