MCでは「愛梨ちゃんの思い出のユニット曲を聞いていただきました。私たちの『スカートひらり』の衣装、似合ってますか?」と白間。お互いにまだ制服姿が似合うと確認し合う。「愛梨さんはかっこいい感じのイメージや白組のイメージも強いですが、『僕はもう少し大胆なら』や『右へ曲がれ』とか、紅組の曲にも参加されてますね!」と小嶋。まだまだライブは続くと上西が促し、映像が流れ始めた。
映像は谷川の一人芝居。カメラが彼氏目線になっており、谷川とのデートを思わせる演出になっている。彼氏を明るく励ます谷川、「元気になる曲を」と『スキャンダラスに行こう!』を。こちらは谷川と渋谷でキュートに、最後はハグ。野球の話題で盛り上がった”デート“映像に続いては、谷川、山本彩加、川上千尋、村瀬紗英で『初恋の行方とプレイボール』。続く映像での「やりたいこと見つけたの。ずっと舞台で輝いている人になりたい!」と旅立ち思わせる谷川のセリフは、まさに駆け付けたファンへのメッセージ。「じゃあ、行ってくるね」と残して披露したのは谷川、石田、山尾梨奈、東、堀詩音による『クローネとパン』。圧巻のダンスパフォーマンスを繰り広げた。
山尾梨奈が「伝説のあれが始まる」と促し、原作・企画・脚本・主演を谷川が務める『百合劇場』がスタート。物語の舞台は同窓会。来る当てのない‟あいつ“を待つ石塚と谷川は男役で登場した。音楽劇でもあり、ストーリーに合わせて『ごめん愛せないんだ』、『奇跡は間に合わない』も歌唱。『奇跡は~』では「お待たせ!」との声に続いて、シルエットが浮かび上がる。木下百花が白のスーツで現れた。その瞬間、大歓声に包まれる。谷川、木下、石塚の3人が肩を組むとフロアからは「お~!」と地鳴りのような声も沸き起こった。最後は谷川と木下のコントラストも美しい『プライオリティ』を、だんさぶる!のパフォーマンスとともに披露した。
「卒業するときは百花を呼びたいと決めていたので、叶ってうれしい!」と谷川。木下は「そう言ってもらっているのを聞いて、愛梨のこと、ずっと好きだったしな…」とクールに返した。
コンサート後半は『目撃者』『美しき者』などを披露。『Partyがはじまるよ』では、2期の谷川、村瀬、東、石田、西澤、鵜野が集結。谷川が初めて選抜メンバーになった『ナギイチ』は特別バージョンで展開し、『僕らのユリイカ』ではステージの上を移動しながらメンバー一人一人と目を合わせる。谷川のソロから始まった『初恋至上上主義』では、NMB48のメンバー全員が谷川に花を添え、その背中を見送った。谷川自身がアイドルに初めて恋をした日の気持ちが溢れ出したような、フレッシュな時も流れた。
最後はこの曲と『夕陽を見ているか?』を。「あっという間過ぎて…。NMB48に出会えて本当に幸せでした。8年半の間に見せてくれた景色を忘れません。私のことを見つけてくれて本当にありがとう」と、一言一言を噛みしめるように伝える谷川。ステージ上は谷川を囲んで、三重の層が作られる。先輩、同期、後輩、そしてファンに見守られながら本編を終えた。
盛大な愛梨コールが起こるなか、軌跡映像が流れ、「今までたくさんの愛をありがとう」と直筆メッセージも届けられた。そして黄色のドレスに身を包んだ谷川がステージへ。
「愛梨コール、しっかり聞こえていました。本当にありがとうございます。私がヒマワリのドレスが着たいですと言ったら、こんなに素敵なドレスを作ってくれました。メンバーからもすごく好評で、最後にこんなにかわいいドレスを着ることができて、本当に幸せです。私は本当にヒマワリが大好きで、それには理由があります。ヒマワリは見ているだけで元気が出て、笑顔になれて、心にぽかぽかにしてくれます。夏になるとヒマワリ畑に行くのですが、いつもパワーをもらえて、私もヒマワリみたいな人間になりたいと思うようになりました。そう思いながら活動してきました。私にとってファンの皆さんは太陽のような存在です。いつも温かく、優しく、照らしてくれるから、私は上だけを見ることができました。ヒマワリは太陽がないといけないように、私も皆さんがいないと輝けません。私に光をくれて、照らし続けてくれたことに感謝しています。ありがとうございます」と、時折言葉を詰まらせながら心情を語る谷川。アイドル卒業は「やりきったと思った時」と決めていた。卒業発表の数日前に山本彩に報告すると、「よくここまで頑張ってくれたね」と返事が届き、涙が止まらなくなったと声を震わせる。