卒業コンサートも後半に突入。『Don't look back!』からクライマックスへと向かう。「今から皆さんのもとに私が会いに行きます!」と太田、『まさかシンガポール』や『しがみついた青春』ではトロッコに乗り、フロアをめぐった。2階席にも届きそうな距離で会場を埋め尽くすファンに笑顔を見せ、手を振り、気持ちを分かち合う太田。メンバー全員も弾けるようなパフォーマンスを繰り広げ、太田をバックアップした。『BINGO!』のソロパートでも、全員に見守られるなかでしっかりと歌い上げる太田、目に涙を浮かべながらもすがすがしい表情を見せた。
「次が最後の曲になるのですが、まだ歌っていない曲はわかりますか? 最後はあの曲で、みんなで虹を作りたいと思います!」と太田、本編の締めくくりは『虹の作り方』を全員で届けた。曲間、ブロックごとにサイリウムの色が分かれた客席を見渡し「すごくすごくきれいな虹をありがとうございます!」と太田。彼女のキャラクターらしい、快晴の空を思わせる歌とダンス。メンバーも笑顔で盛り上げた。最後に「きれいな虹をありがとうございました。とれもきれいでした。本日は、本当にありがとうございました!」と太田、爽やかな笑顔を残してステージを後にした。
七色のサイリウムが力強く上下に揺れる会場、割れんばかりの「ゆーり」コールの中でアンコールが。「ありがとうございます」と太田が登場。「きれいな虹を保ってくれていてありがとうございます。もうすぐ二十歳になるのですが、二十歳になる前にアイドルを卒業するので、ちょっと早い成人式風の衣裳を作ってもらいました」と、新しい衣装を見せるようにしてくるりと回転する太田。
「皆さんの応援があったから、ここまで来られました。卒業コンサートをしたいと思ったきっかけは、渡辺美優紀さんの卒業コンサートでした。いつかたくさんの方に見送ってもらえるアイドルになりたいと目標にしてきて、まさか本当に、こんなにたくさんの方に見送ってもらえるなんて思っていませんでした。自分が思っていた以上に、たくさんの方が自分のことを知ってくださって、応援してくださっていることを実感しました。皆さんが少しでも好きでいてくださって本当にうれしかったです。
アイドルになれてよかたって、どの曲でも思っていました。ライブの途中で昔の映像が流れて、何回も変化を重ねながらここまでやってきて、7年9カ月の時間を過ごしてきました。いまだに卒業する実感があんまりなくて。いまだだに『デイドリーム』のまま、卒業発表してからずっと夢を見ているような感覚です。アイドルじゃなくなる実感がないけど、終わっちゃうというのもアイドルなのかなと思います。アイドルになって大変さも、楽しさも分かりました。何よりも皆さんに会えてよかったです。
もうアイドルはいやだな、向いてないなと思うこともたくさんあったけど、どんな時も私の味方をしてくれる方がたくさんいらっしゃって、何度も救われました。私は直接、言葉にするのは難しくて、だからこそ楽曲で気持ちを表現できるライブが好きでした。なかなか素直になれない私だけど、そんな私だからいただけた曲があります。初めてのソロ曲です。ソロ曲をいただくことも目標にしてきました。今の私の気持ちにピッタリの曲だと思っています」と気持ちを伝え、次の曲へ。
11月6日(水)にリリースされたNMB48 22ndシングル『初恋至上主義』劇場盤に収録された太田のソロ曲『Acting tough』である。2019年秋、今の太田の心境をそのまま綴ったような歌詞に気持ちを込めて大切に歌う太田。終盤、ゆっくりと花道へと歩き出し、会場の中央へ。多くのファンに見守られる中で、アイドルを卒業する太田。太田を支え続けたファたちとの「成人式」をしっとりと行った。