2024.06.05 公開
ところが、ムロツヨシとの楽曲制作があまりにも楽しかった
ことから、この曲にムロツヨシの歌やセリフ的な要素を
いれたいという想いがスカパラメンバーのなかで沸々と
芽生えてしまい、舞台の初日公演には間に合わないため、
舞台で使用されることはないとわかっていながら、
ムロツヨシにボーカルレコーディングを依頼。7年前に
「いつか自分の舞台のテーマ曲をスカパラさんに手掛け
てもらうのが夢です!」とは言ったものの、「歌いたい」
とはひと言も言っていないムロツヨシであったが、
ボーカルレコーディングを行うことになってしまい、
スカパラのゲストボーカルとして
「めでたしソング feat.ムロツヨシ」が完成することとなった。
「東京スカパラダイスオーケストラ×ビルボード
クラシックス at 河口湖ステラシアター」は、
第1部はスカパラメンバーのみでの公演、第2部は
服部隆之の指揮のもとスカパラと東京フィルハーモニー
交響楽団による公演にハナレグミと中納良恵
(EGO-WRAPPIN’)が出演するというものであったが、
「めでたしソング feat.ムロツヨシ」は
第1部のラストを飾るナンバーとなった。
「東京スカパラダイスオーケストラ×ビルボードクラシックス」(C)仁礼博 画像 4/4
ムロツヨシが登場する前に披露されたのは、
今年2月に公開されたムロツヨシ主演映画
『身代り忠臣蔵』のテーマ曲「The Last Ninja」で
あったが、今にして思うと、ムロツヨシ登場へ向けた
大きなフリであったのだろう。ステージセンターで
NARGO(Trumpet)、北原雅彦(Trombone)、GAMO(Tenor sax)、
谷中敦(Baritone sax)、加藤隆志(Guitar)、
川上つよし(Bass)がフォーメーションを組んで
「The Last Ninja」の演奏を締めると、オーディエンスが
拍手喝采で称える。スカパラメンバーはステージ上で
演奏後の余韻と、このあとに起こることへのワクワク感を
楽しみ、オーディエンスはこのあとに起こることを誰も
予期できないままに、「The Last Ninja」の演奏終了から
30秒後にクラクションの音が場内に鳴り響く。
「シークレット・スペシャルゲスト、ムロツヨシ!!!!」
と谷中が呼び込むと、ステージ下手から颯爽と登場した
ムロツヨシに対して、第1部でいちばんの大歓声が沸き起こる。
コミカルな動きも交えながら軽快にステージ上を動き回り、
会場中のすべてのオーディエンスを巻き込んで笑顔にし、
1曲だけのパフォーマンスでありながら、会場全体が
まさにムロツヨシ劇場と化していた。
曲の間奏の口上では「みなさん、ご無沙汰しています!
はじめまして!あらためまして!ムロツヨシです!
この空のもと、みなさんと一緒にライブができることを
非常に光栄に思っています。言わせてください、35年間、
ずっとカッコいいよ!東京スカパラダイスオーケストラ!」と、
オーディエンスへの挨拶とともにスカパラへの賛辞を述べる。
その後もオーディエンスを煽りながら楽しそうに歌い踊り続けている。
これまで数々の音楽番組、そして、スカパラの単独ライブや
フェスで幾度となく共演してきただけあり、ムロツヨシの
パフォーマンスが同じステージに立っているスカパラメンバーにも
まったく引けを取らないものになっている。
後奏に乗せた最後の口上で
「先ずは、第1部、これにて、めでたしめでたし!」と
述べたあと、スカパラメンバーに対して演奏のかき
回しを煽りながら、ムロツヨシがこれまでスカパラ
のステージで何度も披露してきたお立ち台からの
ジャンプのなかでもとびきりカッコいいジャンプで
「めでたしソング」の演奏を締めくくった。空に突き
抜けるようなオーディエンスからの大きな拍手が
会場中に鳴り響くなか、谷中も「すごい!最後の
ジャンプもさらに決まるようになって!」と
ムロツヨシを大絶賛すると、
「河口湖で何してんだろ!?」と照れるムロツヨシ。
ここで前述のNHK「あさイチ」からの経緯が
明らかとなった。ムロツヨシが河口湖公演の
前日から本当に河口湖に泊まっているという
情報をキャッチしたことで、谷中がムロツヨシに
「観るほうにしますか?出るほうにしますか?」と
LINEを送ると、「う~ん、出るほうで!」と
ムロツヨシが返答したといい、オーディエンスも大爆笑だ。
こうしたエピソードからもスカパラとムロツヨシの
素敵な関係を感じとることができる。
スカパラメンバーとオーディエンスからの大きな
拍手でステージをあとにするムロツヨシが、
「みなさん最後に言わせてください!ムロツヨシでした!」と
この日いちばんの力を込めたひと言を発し、ステージをあとにした。
スカパラのデビュー35周年を記念した
特別公演「東京スカパラダイスオーケストラ
×ビルボードクラシックス at 河口湖ステラシアター」は
第1部だけでもとんでもない祝祭感と喜びしか満ち溢れて
いない空間が生み出され、その空間は
そのまま第2部へと続いていくこととなった。
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